インタビュー

若松孝之 三重 96期 S級2班
目標は103点
 まだまだS級戦での存在感は薄い。それでも着実に成績を上げてきた。今期、初めて戦うS級舞台ながら、しっかりと目標を追走し、持ち前のスピードを発揮して脚を伸ばしている。「S級戦は面白いですね。スピードも賞金もA級とは違う。A級戦ももちろん大変なのですが、戦っているという感じがします。最初は不安しかありませんでしたが、何走かしたところでどうにかなるかな、と思うようになりました」。その表情からも充実感を漂わせた。

若松孝之 三重 96期
 戦法は「まだ完全に追い込み宣言をしたわけではない」と話す通り、番組に応じて人の後ろを回ることがあれば、自力で戦うケースもある。そもそもA級時代もいつも自力で戦っていたわけではなく、どちらかと言えば追い込み寄りと見られていた。「最初は番組が出るたびにそわそわしていました。でも今は中部の仲間に僕の脚質を理解してもらえた。任されたら前で頑張るだけなんです」。
 スピードはあるものの、なかなかA級では勝ち切れず苦労を重ねてきた。しかし〝下積み〟が長かったからこそ、今後は何をすべきか分かっている。自力を捨てないことで動ける脚を保持しつつヨコを強化。番手を回る以上はまくりを止める技術を身に付け、信頼を得なければならない。「僕のことを理解してくれている坂口(晃輔)先輩(95期)にアドバイスしていただいています。体格は小さくてもS級上位。芯があって厳しさもある。いい目標ですね」。
 ただ、残念ながら来期は再びA級に降級する。だからこそ今はS級に定着できるよう、貪欲にS級点を取りにいっている。「1着を取りたいのはもちろんですが、6~9着にはならない。今回(熊本記念in久留米)は最終日に特別優秀にも乗れたし、しっかり点数を稼げました。A級では迷ったり悩みながらやっていましたが、今は強い気持ちを持って戦っています。とりあえず目標は103点です」。トレードマークのピンク色のフレームとともに、さらなる飛躍を目指す。


久留米競輪場より