インタビュー

谷口 遼平 三重 103期 S級1班
再び上昇気流へ
 準決勝は1/4輪差の4着。決勝切符にわずかに手が届かず、天を仰いで悔しがった。だが、力を出し切っての結果に、すがすがしさも漂った。「金子(貴志)さんは僕を残すために車間を空けてくれていたのは分かった。脚の調子はいいと思っていたし、この着差はもったいないですね。まだまだ脚がないということです」。

谷口 遼平 三重 103期
 昨年前期が最高潮だった。6月の松阪ではS級初優勝。FIでは決勝進出を重ね、2月の静岡記念では逃げた山崎芳仁をまくって予選連勝で準決勝に乗った。「あの頃は絶好調でしたね。いいイメージで走れていた」と振り返る。
 しかし、頭角を現せば、マークが厳しくなるのが勝負の世界。簡単にはレースを運ばせてもらえず、歯車が狂っていった。「メンタルで弱気になってしまったのが最初。そんな状態で走っていたら、調子まで落ちてしまった」。逃げて叩かれ、後手に回ればまくれず。105点以上あった競走得点も、今は100点前後に降下。越えなければならないS級上位の壁である。
 そんな谷口にとって、大きな支えとなっているのが新妻と仲間の存在。入籍は昨年9月。結婚式を4月に控えている。「6歳年上の姉さん女房。精神的に頼りになって落ち着けますね。ただ、僕は甘党で彼女は辛党。今はお互いに妥協できる味を探している」と、私生活は幸せいっぱいだ。
 そして、仕事では浅井康太を中心とした四日市ホームの先輩が親身になってアドバイスをしてくれる。「レース内容について厳しく注意してもらうことがあれば、励ましてもらうこともあります」。昨年の忘年会では、仲間の前で泣きながら苦しい胸の内を吐き出し、慰めてもらった。
 折れそうだった心を支えてくれた人たちがいるから頑張れる。再び上昇気流に乗って、優勝争いができる日は近いはずだ。


豊橋競輪場より