インタビュー

窓場 千加頼 京都 100期 S級2班
未完の大器。
 言葉は古いが窓場を言い表すのはこの言葉が最適だろう。素質はデビュー当時、いやアマチュア時代から高く評価されていた。しかし伸び悩んでいるのが現状だ。ただこのままではいいとは思っていない。「もっと強くなりたい、その気持ちはあります」

窓場 千加頼 京都 100期
 迎えた予選。中団を奪いながら仕掛けた時に外に張られる苦しい展開。今までの窓場ならここで膨らみ終わり。だが今の窓場は違った。ブロックされても踏み直した。結局2着に甘んじたが今までにない力強さが垣間見られた。準決は優勝候補筆頭の郡司浩平と対戦。赤板過ぎに先頭に立つと打鐘からスパート。古屋琢のまくりを番手の笠松信がブロック。だが、更脚の郡司がバックから一気のまくり。レースを作った窓場だが7着に沈んだ。「悔しいですよ。ただ自分の出来ることはできた。負けたのは僕に力がなかっただけ」と言い訳はしなかった。最終日の特選は磯島康に抑えられ引いての7番手。一瞬、突っ張る素振りをみせたものの引いた。最終3コーナー前からまくるも届かず5着。最終日が一番、内容は良くなかった。
 華奢。窓場の体を見てまず思うのが線の細さ。スピードはあるがパワーが足りない。そこで昨年の夏頃から初めてウエートトレーニングを開始した。半年足らずで結果がでるなんておこがましいが、体は明らかに大きくなっている。「体重も増やしているんです。でかくなった?ほんまですか、嬉しいです」。上半身、胸板が厚くなった。なにより目を引いたのは後ろ姿。お尻からふくらはぎにかけてパッツンパッツン。ハムストリングスが一目で分かるほど盛り上がっていた。ウエートだけでなく昨年末から自分を追い込むために1人でトレーニングを行うようになった。以前は村上博幸らと一緒に練習はしていたのだが。「博幸さんや他の人たちには本当に良くしてもらいました。恵まれた環境でした」。それではなぜ?「甘えてしまうじゃないですけど、1人になった方が逃げ場がない。厳しい環境でもう一度自分を鍛え直したかったから」と。普段はいた仲間がそばにいない。孤独。でも自分で選んだ道。「街道練習を多くするようになりましたね。原点回帰とでも言うのか、改めて基礎からです」。残念ながら平塚で結果を残すことはできなかったが、強くなりたい気持ちは今まで以上に伝わってきた。


平塚競輪場より