表原周 徳島 100期 A級2班
7年目の大ブレイク
4月の時点で94.36という「自己最高得点」をキープしていた。「選手生活7年目にして、今がピークです」と豪快に笑ってみせる。「A級1、2班戦の通算優勝が5回の僕が、今期V3ですよ。信じられますか。これをピークと言わず、いつをピークと言います」とおどけてみせる。「オリンピックは4年に1度来るけど、自分の次のピークは7年後かもしれないので、今期はしっかりS級点を確保したいと思っています」。
表原周 徳島 100期
今期の優勝3回は「いずれも番手回り。デキそのものよりツキがありますね」と冷静に分析する。確かに1月の武雄決勝は逃げる宮崎康司(香川、94期)の番手回り。3月岸和田決勝は栗田貴徳(愛媛、93期)の5番手2角まくりを捕えてのもの。4月大垣決勝にいたっては打鐘から逃げる泉谷元樹(愛知、101期)の番手が離れ、そこに表原がスッポリはまるという展開のツキは大いにあった。しかし''運も実力のうち''である。
ブレイクのきっかけはスピードチャンネルで平原康多さんが語っていた「練習は考えてしないとただの疲労」という言葉に衝撃を受けてからだ。「確かに、今までの練習は何も考えていなかった。自転車に乗っていれば強くなれる、ただ、脚を回せばいいみたいに漠然と練習していた。平原さんの言葉を聴いてから、何を強化するべきか考えながらトレーニングをするようになった」という。以前は「何をするにしても自信がなかった。逃げても持たないし、だからと言ってまくれるわけじゃない。自在に戦法変換して、目標不在のメンバー構成を組まれた時にイライラもした」表原だったが、意識改革後のパワーアップは顕著。現在は前団が緩んだら叩いて逃げても勝負になるようになった。本人は「まだまだ、自分には飛び抜けたものがない。中途半端な状態」と謙遜するが、攻めの競走が増えてきたのも事実だ。
4月久留米の準決は「2月広島の予選でまくれなかった玉村元気君との対戦。やられたらやり返すという気持ちで臨んだ」と、逃げる玉村をしぶとくまくり返した。最後は末を欠き3着だったといえ、内容満点のレースを披露していた。「今は燃え尽きないように注意しています。9連勝の特進は周囲から狙えと言われていますが、自分は全然、意識していません。それより手堅くコツコツと連続優出を続けていきたい」という。変幻自在な立ち回りでS級点確保にまい進する。
久留米競輪場より