インタビュー

竹内翼 広島 109期 S級2班
強い人と戦わなければ成長できない

竹内翼 広島 109期
4月初めて行われたナイターでの記念。地元の郡司浩平の優勝で幕を閉じたが、前半戦の話題をさらったのは竹内翼だろう。昨年12月にS級特進。川崎が記念3度目の挑戦だった。178センチの恵まれた体格から繰り出される先行は、デビュー当時から高く評価されていた。予選は打鐘前に小原唯志が金網近くまでけん制するアクシデントの中、最終ホーム過ぎ7番手から一気に仕掛け圧勝。それも杉本正隆のブロックをかいくぐってのもの。しかし白星にも笑顔はなかった。「先行しなくちゃだめなんです」と内容にこだわった。続く二次予選は最終ホーム8番手のピンチ。前の飯野祐太の先行に乗って1コーナーから発進。ラインの小倉竜二を振り切り連勝で準決勝に勝ち上がった。「記念は3度目なんですが、どうしても準決の壁を破れなかった。やっとひとつクリアできました。ただ、またまくりになったので」。この勢いなら決勝進出も夢ではない。勝負のかかった準決勝は岩津裕介を連れて打鐘から発進。ただ地元の堀内俊介に突っ張られ、出切ったが予想以上に脚を使ってしまった。中川誠一郎のまくりに屈して8着も、3日目にして持ち味の先行で勝負できた。最終日も立花成泰を連れて先行。立花には交わされたが2着でシリーズを終えた。4戦2勝、2着1回。準決は悔しい思いをしたが、川崎のファンに強烈な印象を残した。
Jリーグ。ファジアーノ岡山でプレーしていた元Jリーガー。高校時代はU18代表候補になるなどしたが、プロ入りしてからはリーグ戦での出場はなし。「高校までは好きでやっていけたけどプロは違った。自分の中でプロ意識が足りなかった」と振り返った。新天地を求めて競輪の世界へ足を踏み入れた。ますは肉体改造。サッカーはキレを求めるため体重は75キロ。だが競輪はキレに加えパワーも必要。競輪学校時代から食べに食べ現在は89キロ。見ればわかるようにただ体重が増えたのではなく筋肉になっている。それが今の戦法、先行の源になっている。「今回は初めて準決にいけた。準決まで勝ち上がらないとS班と戦えない。強い人と戦わなければ成長できないですから。負けはしましたがいい経験になりました」と一戦でも無駄にはしない。岩津、小倉といった追い込みのタイトルホルダーはいる中四国だが、大型先行は…。このまま順調に成長すれば近いうち必ず、GIの舞台でも活躍できるだろう。


川崎競輪場より