インタビュー

梶原亜湖 静岡 73期 A級2班
S級復帰。それは決して夢物語ではない。
南関の大型先行と言われた梶原も46歳。円熟味を増した走りはファンを魅了し続けている。最近は、というか、もう追い込みが主戦法になってどのくらい経つのだろうか。「僕は自力じゃないですから。何十年前のことを言っているんですか」と茶目っ気たっぷりに言われる。しかし、完全に自力を捨てたわけではない。

梶原亜湖 静岡 73期
6月の京王閣。予選は6着に沈んで迎えた2日目A級選抜。メンバーを見ると徹底先行が見当たらない。福井の中地麻人、青森の佐藤純嘉、長野の伊藤大理がかろうじて動けるだけ。だが誰ひとり、先行とは言わない組み合わせ。この相手なら梶原でまくれると思ったのは筆者だけではないだろう。実際に岡野順一が「梶原君を目標」と言ってのけたのだ。それを聞いた梶原は「昔の名前で出ています ですね(笑い)。大きなことは言えないけど、流れの中で動くことは考えます」。
レースは中地が先行し3番手に伊藤。その後ろに佐藤で梶原は7番手。だが、中地が逃げても掛かった先行ではない。満を持して最終1角から仕掛けると、驚くほどのスピード。だが、4番手の佐藤に合わされるとスピードダウン。「僕のミスでした。佐藤君の後ろがちょっと空いたんで入ろうとしてしまった。あのまま踏んでいれば余裕でまくれたと思います。楽をしようとしたのが全てです」と肩を落とした。それでも有言実行、自力で戦ったことは評価できる。「僕は競るタイプじゃない。タテ脚で勝負するタイプ。だから目標がいなくても、いつでも自分で動く気持ちだけは持っている。練習もそれなりにしているから」。
昨年の秋からウエイトトレーニングを再開した。そして今年の5月からは「もっとパワーをつけるべきウエイトトレーニング」を始めた。「やはりパワーは必要。あのまくりも成果だと思う。」
S級に復帰。決して夢物語ではない。「大それたことは言いませんよ。今はひとつひとつ大切に。でもプロである以上は、上のステージで戦いたいですから」。46歳、まだまだS級で活躍できる可能性を持った梶原であった。


京王閣競輪場より