インタビュー

山崎賢人 長崎 111期 A級3班
長崎期待の新人が連勝記録を伸ばす
競輪学校に入学する前から「井上昌己(86期)を超えるポテンシャルを秘めている」と長崎の選手間では話題となっていた逸材が7月9日の久留米競輪場でベールを脱いだ。初日は打鐘先行で後続を20メートル以上引き離す圧勝劇を披露。「まずは1走できてホッとしました。でもタイム的にはまだまだですね」。派手なレース振りが目立ったが、確かに上がりタイムは12秒1。練習では10秒6の上がりを出していたというだけに納得のいくものではなかったようだ。ただ、レース慣れしてきた準決では2角まくりでひとり旅。上がりは11秒5。決勝も2角まくりで10秒9と走るほどに、その実力を発揮していた。それでも本人は「レースの組み立てはまだまだ。思っていた以上に緊張していた。もっと練習の成果を発揮しなければ」と、反省の弁。「目標はグランプリの舞台に立つこと。それも昌己さんと一緒に」。高みを目指す選手だけに、自らには厳しいノルマを課しているようだ。

山崎賢人 長崎 111期
大学時代にKEIRINグランプリをみて衝撃を受けたという。自分も競輪選手になりたいと思ったのが22歳。それまでバレーボールの経験はあるが、自転車競技の体験はゼロ。そんな山崎だったが、乗ってみるとアッサリと好タイムをたたき出した。これが「井上昌己を超える逸材」と言われるゆえんである。「でも、競輪学校では在校2位。卒業記念も決勝2着と、なにかひとつ足りないみたい。それをこれから探しながら練習したい」と強くなることに貪欲だ。
周囲からは「早くS級に上がれ」と言われている。本人は公言こそしていないが、18連勝を自らに課して奮走中だ。まずは深谷知広(愛知、96期)の持つ56日でのS級昇進の記録を破ることができるかどうかが注目したい。将棋界では藤井聡太4段の29連勝が話題となったが、山崎も連勝記録を伸ばして、世間の話題をさらってほしい。


久留米競輪場