インタビュー

野口大誠 熊本 105期 S級2班
大スランプを糧に必ず再び這い上がる!
 105期在校1位の看板を引っさげて2014年7月にデビュー。いきなり地元の熊本で完全優勝を飾ると、その後も順調に白星を重ね、2015年の6月にはS級に特進。そして、その年のヤンググランプリを制し〝ついに九州から期待の大型機動型が誕生した〟と大いに盛り上がった。

野口大誠 熊本 S級2班
 しかし2016年の4月に熊本地震が発生。この影響もあってか、野口の成績はこの頃から徐々に下降していく。「環境が変わって、(練習メンバーが)バラバラになってしまった。それも(不振の)原因のひとつかもしれません」。何とかして立て直そうと「良い時の感覚を求めていろいろやった」という。だが、これが裏目に出る。「良くしよう、良くしようとやりすぎて、段々と良い頃の感覚がわからなくなってしまった(苦笑)」。もともと天才肌で「今までは、深く考えずに何となく走っていた。それでも結果が出ていたので」。デビューしてから初めて経験するスランプは、そう簡単に抜け出せるものではなかった。
 2017年の前期はS級点の確保にも失敗した。ただ本人は「デビューしてからずっと順調すぎた。いずれこうやって壁にぶち当たるときは来ると思っていたので」と、意外と冷静に現状を受け止めている。
 前向きになれるのは、復活のキッカケをつかみかけているからだ。「今は明確に『何をしたい』と意識して取り組んでいます。以前はなんとなく走っていたから、何が悪いのかわからなかった。でも今は違う。原因をみつけて修正できるようになりました。練習では普通にモガけるようになっているし、兆しも見えてきた。つかみかけている感覚をこれから研ぎ澄ませていきたい。もう自分を信じてやるだけです。のちのち『あのスランプがあったから、ここまでこれた』と言えるくらい強くなりたいですね」。
 8月の小松島FIでは、約半年ぶりの白星を手にして「1着の取り方を忘れていたので『あぁ、こうやって勝つんだな』と思い出した(笑)。ひとつ勝てば流れも変わってくるだろうし、これをキッカケにして、どんどん上を目指していきたい」とホッとした表情で振り返った。
 「最近、結婚もしたし、頑張らなくちゃいけないんです。もう遊んでいる場合じゃないですね」と笑った野口。守るべき家族のためにも必ず這い上がり、いずれは九州を牽引する選手に成長する!


熊本競輪場より