インタビュー

内村舞織 福岡 112期 L級1班
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 デビュー直前の6月、練習中に落車した内村。肋骨4本、右鎖骨骨折に肺気胸を患った。復帰後は肋間神経痛にも悩まされたという。最悪の状態で迎えた8月の広島戦デビュー戦だったが「アドレナリンが出たのかな。いい意味で集中して臨んだからか肋間神経痛の痛みを感じずに走ることができた」で423と優出を果たした。

内村舞織 福岡 L級1班
 久留米といえば小林優香を筆頭に児玉碧衣、林真奈美といったガールズの強豪がひしめく土地柄。「碧衣さん、真奈美さん、同期の(大久保)花梨と一緒に練習していますが、周囲が強くて本当に嫌になる。競走訓練ではまったく歯が立たず、練習後は敢闘門付近でいつもふさぎ込んでいる」という。いつの間に、その場所は〝舞織ゾーン〟と呼ばれ、落ち込んだ内村の〝近づくな〟オーラが漂うという。しかし、常に高いレベルで練習していたからこそ、万全といえない状態でも優出を果たせたのである。
 父は内村豪(67期、引退)。出身は鹿児島だが「選手になるなら、選手層の厚い久留米でなってほしい」という父の希望と「高校時代、久留米の合宿に参加した時に楽しかったので選手になるなら久留米でと思った」という娘との意見は一致した。「自分がトップに立ってしまうと、それ以上の成長は望めない。常に自分より強い人と練習しなければ」と父は語っていた。充実した練習環境は間違いなく内村にはプラスになるはずだ。
 2戦目の名古屋は「強い外国人選手(ファンリーセン、オランダ)が相手であせったのと、自分自身の仕掛け遅れも原因で」732だったが、きびしく位置を取りにいく姿勢は光っていた。「本当はもっと動けるようになりたいけど、体調的にまだ十分とはいえないので、今は位置取りにはこだわっていきたいと思っています。将来的には展開不問でどこからでも突っ込んでくる選手。誰も駆けないようなら、思い切って逃げても勝負になる選手になりたい」と語る。走るたびに体調が戻っている内村だけに、初勝利は時間の問題。大物食いをそろそろしてくれそうな雰囲気だ。


小倉競輪場より