インタビュー

村上博幸 京都 86期 S級1班
近畿の中心
新田祐大優勝で幕を閉じたGI「第59回競輪祭」。これで今年のグランプリ出場9人が決まった。その競輪祭で来年の初めから活躍できそうな選手を見つけた。村上博幸がその人だ。競輪祭直前のGIII大垣記念で5度目の記念Vを飾った。GI2回、GPも勝っている割には、記念が5度目とは驚いた。しかしよくよく考えて見ると、GIは年6回だけだが、GIIを含めれば9回。そして斡旋がすべてGIIIというわけではないので、GIIIを走る回数のが少ないのかもしれない。

村上博幸 京都 86期
 「記念を取るということは選手にとってものすごく重要なことなんです。もちろんGIのタイトルは嬉しい。でもそれと同じくらい記念は大切なんです」。そして迎えた競輪祭。「いい感じです。こんなことはしばらくなかった」と前検日から笑顔が絶えなかった。一次予選は野原雅也の先行を余裕もって差し切り。直線では車間を大きく空けた。一瞬、このままでは抜けないのではないかと思ったほどだが、そこはさすが。「(野原)雅也が二次予選に進めて良かった」。二次予選は木暮安由のまくりには屈したが、しぶとく3着で準決進出を決めた。その準決は近畿の目標が不在の組み合わせ。中部近畿ラインで浅井康太に全てを託した。だがその浅井が平原康多後位でまさかのイン粘り。そこを北津留翼にまくられ万事休す。足を残したまま涙をのんだ。余力があっての敗戦に唇を噛んだ。
 最終日に2勝目をかけて臨んだが、自分の後ろがもつれ、競った2人は落車。その影響か松岡貴久-荒井崇博にまくられ3着でシリーズを終えた。「決勝に進めなくて本当に悔しい。状態が良かっただけになおさら。でもね、今まで自分が信じてやってきた練習が嘘じゃないって改めて分かったんです。今回は残念な結果に終わったけど、来年はタイトルを獲ってグランプリに出られように頑張りたい」と前を向いた。
 2017年の優勝は競輪祭が終わった時点でGIII 1回、FI 2回。数字だけみればまずまずと言っていいだろう。普通の並の選手ならこの優勝回数は上出来でも、村上クラスになると正直、少し物足りない。それは本人も分かっている。今年のグランプリ、近畿からはまさかの三谷竜生一人だけの参加になってしまった。ここしばらく競輪界を引っ張ってきた近畿にとっては寂しい限りだが、来年は村上が中心となってまた、近畿を盛り上げてくれるはずだ。


小倉競輪場より