インタビュー

金ヶ江勇気 佐賀 111期 A級2班
大器の予感
 チャレンジ戦では4回しか優勝をしていない金ヶ江だが、昨年12月に佐世保競輪場で行われたレインボーチャレンジファイナル2着でA級2班に特進を果たすと、A級1、2班初戦の12月別府で11(3)、続く高松23(1)、和歌山11(1)と快進撃。「そもそもコマ切れが苦手みたいです。1、2班戦のようなライン戦の方が自分に合っているみたい。でも、まだ後ろに付いてくれた人に迷惑をかけることがあるし、足りない部分はたくさんある。一戦一戦が勉強です」と好成績におごることはない。

金ヶ江勇気 佐賀 111期
 昨年10月に地元の武雄(チャレンジ)で完全優勝。続く11月の玉野で6連勝を決め、特進を目指した高知では11(2)で連勝が8で途切れ、チャレンジ戦では意外にも苦戦を強いられていた。「周囲から、9連勝での特昇を期待されるけど、そもそも自分は在校53位。自転車歴も浅い。まあ、欲を言えば、というかフルに欲を出して望むなら9連勝もありかなと思うが、それほどこだわっていないんです。特昇したからといって5年後、この業界で頑張っていれる保障がないわけだから。自分は天才肌ではないので、コツコツと亀のようにゆっくりと力をつけていきたいと思っているわけだから」。地に脚が付いているというか、これほど冷静に自らを分析できる新人には初めて出会った。
 「将来の夢ですか。何年先になるかわかりませんが、GI戦に出て、そこでしっかり戦えるくらいまで実力をつけたいですね」と、決して大きなことは言わない。勝利に対する貪欲さも感じられないが、無欲という点においては山崎芳仁(88期、福島)に通じるものがある。山崎は2007年の小倉「競輪祭」を制した時に「また、獲っちゃった」と、照れ笑いをしていたが、ガツガツしなくても結果が付いてくるという点で山崎と同じ雰囲気を漂わせている。
 3月玉野で開催される「ルーキーチャンピオン戦」にも出場が決まっている。「ベストナインに選ばれたといことは光栄なことと思っています。でも、今の実力では狙っていきますなんて言えない。コマ切れ戦は苦手ですからね(笑)。ルーチャンを制したからといって、その後の競輪人生が決定するわけじゃないですから。でもベストは尽くしたいと思っています」と謙虚な姿勢を崩さないが、中学、高校時代を野球で鍛えたという下半身はボリューム満点。さらなる伸びシロを感じさせる。なにか、大きなことをやってのけてくれそうだ。


久留米競輪場より