インタビュー

高瀬卓 埼玉 87期 A級1班
破壊力満点のまくり
破壊力満点のまくり。S級でも通用していたし、脅威になっていた。そんな高瀬が今年から、A級に陥落してきた。普通に考えればあっという間に9連勝で、S級特進でもいいのだが、この世界はそれほど甘くはない。果たして状態はいかがなものかと思わせながら、平塚に参加した。前検日に最近の状態を聞いてみた。「前回の伊東も含めて、A級のペースが分からない。どう説明すればいいのかな。S級はスピードが上がったらゴールまでずっとそのままなんです。でもA級は違う。このままのスピードでレースが進むのかと思ったら、急にスローダウン。仕掛けようと思ったら、前が詰まっていけない」とA級戦の流れを解析した。

高瀬卓 埼玉 87期
迎えた初日。打鐘で7番手に置かれてしまったがまだ余裕はあった。ホームでいったんペースが緩んだ時に、行く。その予定だったが仕掛けられず。「何度も行くタイミングがあった。今回は緩んだらすぐに行こうと決めていたのに」と4着の結果にうなだれた。2日目も6着、最終日も4着と全くいいところなくシリーズを終えた。
一昨年の6月にレース中の落車で肺気胸と肺挫滅の重傷を負った。2週間はまるっきり動けず、食べる物もゼリーなどの柔らかいもの。しかし後日、この食事が高瀬にとってプラスになる。「退院してから脂っこいものが食べられなくなってしまったんです。でもそのお陰で体重が5、6㎏落ちたんです。そうしたら体が軽くなって(笑い)」。体にキレが戻れば、まくりの威力は増す。練習も3勤1休。そしてウエイトトレーニングの時間を増やした。「ウエイトだけじゃなくワットバイクをうまく使っています」。40歳を前にして向上心はある。
結果はまだついてきていないが、気持ちは衰えていない。「気持ちが萎えたらだめですね。また上で頑張りたいし」と前を向いた。平塚後の前橋も未勝利に終わったが、意気込みは伝わってきた。スタートを取って後方まで引いて、そこからドカン。これが高瀬のスタイル。まくりだけでなく先行でも強い。他を圧倒する強さ、そんな高瀬が戻ってくるのを心待ちにしている。


平塚競輪場より