インタビュー

川口公太朗 岐阜 98期 S級2班
すっかりS級の軌道に乗った。一昨年、再昇級したものの、S級の世界ではなかなか頭角を現せずにいた川口。しかし、近況は小松島のGIII・国際自転車トラック競技支援競輪で決勝に進出するなど、競走得点は一気に100点の壁を突破。数字は右肩上がりで、いまや104点台に到達した。「ずっと伸び悩んでいたけど、今はやりたいことがやれている」。自然に表情は緩んだ。

川口公太朗 岐阜 98期
成績上昇の理由は、自らに合う戦術を確立できたこと。人に前を任されて戦う時は自力、自在。場合によっては番手戦も巧みにこなす。弟・聖二(S級1班・103期)のような長い距離を踏める先行力があるわけではないので、自在性こそが活路と見いだした。
「自在に戦うことのリスクはあるが、少しずつやっていることの結果が出てきた。でも、付いてくれた選手をまだ連れ込めていないし、自分だけになっているからレベルは足りていない。小松島の準決も永井清史さんを残すことができなかった。技術がまだまだですね」。
理想とする選手スタイルは山田英明。「あれだけのスピードとカマシがあって、位置も取れる。少しずつパワーアップして、成績の波も小さくしていきたい」。兄弟の師匠である藤原誠も兄の成長をうれしそうに評価した。「弟より兄の方が器用。先行するよりも今の戦い方が合っているようだね。競走に余裕が出てきているし、ひと皮むけそうな雰囲気がある」。
さらなる上昇あるのみ。目標も明確だ。「(ダービー出場組不在の)函館記念はチャンスですよね。オールスターなどGIにも出たいし、1班の点数も取りたい。山口富生さんからもこれからはどんどん狙っていけ、とアドバイスしてもらっています」。まだ今は成長途上。本当の勝負はこれからだ。


松阪競輪場より