インタビュー

白井美早子 大阪 102期 L級1班
さらなる高みを
満を持して湘南にやって来た。決勝進出は当然。決勝で、いかに優勝もしくは上位に食い込めるか。そんな気持ちを持って白井美早子が、前検日からやる気オーラを検車場中に充満させていた。今シリーズは昨年末のガールズグランプリを制した石井寛子をはじめ、小林莉子、梶田舞といったグランプリチャンピオンが顔をそろえた、豪華なメンバー。3強を相手に白井が、どんなレースを見せてくるのか楽しみでもあった。
実は白井、開催前に平塚に入り、尾崎睦、佐藤亜貴子らと練習を行っていた。「強い人たちと一緒に練習すると気づかなかった部分も分かるし、何しろ刺激になります」

白井美早子 大阪 102期
期待が高まる中、初日の予選1は梶田と小林と対戦。終始、6番手に置かれる競走で見せ場を作れなかった。「体が全然動かない。どうしてかわかりません。情けないです」と肩を落とした。勝負のかかった予選2。最低でも2着に入らなければ、決勝進出は苦しくなる。それが7着。初日同様の競走で勝ち上がりに失敗した。「ただ弱いだけ」とひと言残すのが精いっぱいだった。それでも最終日は3着。3着は褒められた着ではないが「最後になってやっと体が動くようになりました。でも、一緒に練習してくれた尾崎さんたちに申し訳ないです」
3日間、白井らしい走りは見られなかったが、これには原因がある。今年に入り、ウエートトレーニングに力を入れるようになった。平塚入りする前にも名古屋で体をいじめてきた。結局、それが影響したように思われる。
一昨年の8月、イベント参加中のアクシデントで右アキレス腱断裂の重傷を負った。昨年3月に復帰し、12月には悲願の優勝をいわき平で飾った。1期生でも上位の力を持っていただけに、遅い優勝ではあったが、ひとつの目標をクリアしたことで、さらなる高みを目指すようになった。「優勝が1回だけじゃダメ。だからウエートトレーニングも始めたんです」。調整ミスという言い方は不適切かもしれない。たまたま平塚では結果が出なかっただけだろう。ウエートトレーニングをしたからといって勝てれば、誰もが勝ってしまう。結果が出るのは早くても半年後というのが定説だ。「今回はファンの期待を裏切ってしまいましたが、自分なりに考えてトレーニングをしています」と向上心は衰えていない。夏に向けて白井の走りに注目したい。


平塚競輪場より