インタビュー

鶴良生 福岡 111期 23歳
遅咲きのルーキー
 5月西武園チャレンジで完全Vを果たした鶴が続く佐世保、別府で連勝を重ね、A級2班に特昇を果たした。南潤(和歌山)を筆頭に、逸材の揃う111期。やや、遅咲きの感もあるが、今後のA級戦を多いに盛り上げてくれそうだ。

鶴良生 福岡 111期
 「結果、9連勝を決めたけど、自分の中ではそれほど重大なことじゃないですよ。7月からA級1、2班戦を走れることが決まっていたからね。特昇を意識していたのはデビュー3場所まで。それ以降はカマシ、まくりと色々と試したが、自分の中でしっくりいかなかったし、結果も伴わなかった。徹底先行に戻したきっかけは昨年12月の佐世保レインボーチャレンジファイナル。5着という結果に、もっと逃げてパワーをつけなきゃと思った」。その後は37走でバック28回の積極策に徹すると「自然と筋力もついてきたし、心肺機能も強くなって」現在の快進撃に繋がった。同県の選手からは「ゴリラみたいな体型だね」と、言われるほど逞しさも増した。
 A級1、2班戦初戦の松阪では①③①と2勝をマーク。「初日に11秒6で逃げ切れたのは自信になりました。後ろの人が強いので離れる心配がないという意味で、チャレンジより走りやすいかもしれない」と笑顔。2場所目の武雄初日は2周先行を敢行し、88点の田頭寛之(京都、109期)にレースをさせなかった。「7車立でも9車立でも先頭に立ってしまえば一緒でしょう」と、上位戦でもやれる手応えをしっかり掴んだようだ。観戦していた紫原政文(福岡、61期)が「これは使える」と鶴のパワーに太鼓判。マークした永田修一は「どんどん、踏み上がっていく感じ。付いていくうちに自分の脚力が徐々に削られていく感じで、抜くどころじゃなかった。今は単独で番手を回れたが、今後は鶴君の番手は競りになりそう。家賃は高くなりそうですね」とその実力に舌を巻く。同じレースを走った山本宏明(徳島、83期)は「A級時代の原田研太朗(徳島、98期)や竹内雄作(岐阜、99期)を彷彿させる感じのペースだった。ぐんぐん踏み上がっていく」と、その将来性を高く評価していた。
 準決勝はS級特昇を目指す同期の皿屋豊(三重)との対戦となった鶴。皿屋を叩けずの9着に「負けは負け。(2周先行で逃げ切った皿屋の)単なる引き立て役になってしまった」と反省の弁。「でも、いい勉強になった。赤板では重注覚悟でキッチリ抑えるべきでした」と、この敗戦をカテに更なるパワーアップを誓っていた。「6月の松阪、武雄は自分がどこまで走れるかという意味で試走と考えています。本番は7月から。来期はS級点をキープできるように頑張りますから」と、大暴れを誓っていた。


武雄競輪場より