インタビュー

小嶋敬二 74期 石川 S級1班
20代が相手でも容赦はしない。
小嶋敬二が元気な走りを見せている。地元というべき富山記念。開催前からテンションは上がる一方だった。特選からのスタート。最終ホームは8番手に置かれる大ピンチ。結果は5着止まりだったが、踏み出しのスピードは良かった。「うーん、ちょっと後ろ過ぎましたね」とレースを振り返った。しかし落胆の表情ではなく、次に向けての闘志が見られた。

小嶋敬二 74期 石川
 絶対に負けられない二次予選。坂本周作、大石崇晴といった若手積極型が相手になった。坂本が先行態勢に入ると小嶋は4番手。しかし、大石に割り込まれ7番手まで引かざるを得なかった。最終ホームで一瞬仕掛けるそぶりを見せたが、大石が先に発進。その動きを見極めバックからまくって出た。初日より1車前の7番手なら、届くだろうと思っていたのだが…。坂本の番手を回った大塚英伸を交わすことはできなかったが、2着で準決入りを決めた。「前の動きを見過ぎたかもしれない。ただ、悪くないから」と安堵の表情を浮かべた。2走して未勝利も、地元記念Vへの可能性を感じさせていた。
 準決は中部の若手・長尾拳太を目標に得た。長尾も小嶋が後ろとなれば、先行意欲は否が応でも高くなる。予想通り先手を奪い、レースを作った。3番手には平原。「真後ろが平原君だったし、思ったより早く来られた」と言う通り、平原が2コーナーから発進。ブロックする間もなく、行かれてしまった。6着。地元記念Vはここで消えた。最終日も8着に沈み、シリーズを終えた。しかしながら、小嶋の走りにスタンドは大いに沸いたことも事実だ。
 「若い時のような練習はできないけど、気持ちは萎えていないから」と豪快に笑い飛ばした。そんな小嶋に朗報が飛び込んできた。GII「共同通信社杯」は補欠だったのだが、欠場者が相次ぎ、出場が決まった。若手の登竜門とされる「共同通信社杯」を48歳の小嶋が走るのは、楽しみでならない。結果はすでに出ていることだろうが、最後まで諦めない走りは、若手も学べきことが多いはずだ。存在感という点では、今でも輪界No.1と言っても過言ではなかろう。円熟味を増した今、まだまだグレード戦線で活躍してほしい。


富山競輪場より