インタビュー

加倉正義 68期 A級1班 福岡
久々のA級戦は内容重視で次につなげる
 今年7月に平成4年以来、およそ26年ぶりにA級へ降級した。A級で戦うことが決定した時点から戦う準備を着々と進めていたというが、実際は「若い子は踏み出しがすごいし、実際にA級になったらどうなるですかね…。走ってみなければ分からないし、自信はないですよ」と出てくる言葉に力がなかった。

加倉正義 福岡 68期
 ところがフタを開けてみれば、降級初戦の7月名古屋で⑦2①着といきなり優勝。さらに同月の豊橋では完全Vを飾るなど成績は高いレベルで安定している。
 不安が拭えたことで最近は余裕もでてきたようで「レースの流れや道中で周りをみる余裕はある。あとは連係をしたことのない自力型と走る際、変なところから踏まれたときにどう対応するかですね」と一息付く。
 たとえ前を任せる機動型の出足に口が空いたりしても、隠し持つタテ脚を発動してまくり気味に追い込み突き抜けるシーンもしばしば見られる。
 地元・久留米バンクでは練習で痛烈なまくりや先行をビシビシと打ち、若手たちを相手に対等に渡り合っているといい、衰えるどころか年齢を重ねるごとに、ますますと進化している。
 S級でつちかった経験とレースの流れを読むセンスを遺憾なく発揮しており「当面の目標だったので良かった。というかホッとした」という12月に伊東競輪場で行なわれるレインボーカップファイナルに出場できる見通しだ。
 点数的には来年1月からS級に復帰できることが確定的だが内容にはとことんこだわるつもりだ。「もしレインボーでダメでも(S級に)つながる走りができればいい」
 熟練テクニックを繰り出し、S級戦線に復帰してくる加倉の姿を再び見るのが楽しみだ。


久留米競輪場より