インタビュー

石川雅望 群馬 91期 S級2班
冬本番!
 宝の持ち腐れとでも言うのか、センスはあるのにそれをレースで生かせない。それが石川だ。しかしここに来て、成績は急上昇。今後が楽しみになってきた。

石川雅望 群馬 91期
 今開催は今年の函館最終戦。予選は広島の竹内翼が圧倒的な人気。石川は矢野昌彦―中田健太の3番手。レースは打鐘で2人が落車。最終ホーム、石川は最後方。矢野がまくるが不発。切り替えた石川は4番手をキープした。直線でインに切り込み、最後は中。3着で準決勝への権利を得た。しかし、石川本人に笑顔はなかった。なぜか?「準決勝には進むことができたが、最後に少し踏んだだけ」。実は石川の後ろになった中田が、最終3コーナーからまくり気味に仕掛けていた。「そうなんです。たまたま3着だったけど、本当は僕が中田君みたいに早めに踏まなければいけなかった。そうしていたら2着いや、1着があったかもしれない」と振り返った。確かに中田より先に踏んでいればもっと着も違っただろう。「そこが僕のダメなところなんです。仕掛けていって膨らんだらダメだとか…。ハートが弱いんです」。
 準決は鈴木竜士―中田の3番手。7番手からまくった鈴木に中田が離れては話しにならない。リカバリーできず7着。「何もできなかった」とぽつり。しかし、石川のせいではなかろう。強いて言うなら、前が離れた時の対処。それが今後の課題であろう。「そうですね、あのまま終わるんではなく、最後までコースを見つけていかないと」。最終日も7着。滑り出しが良かっただけに、もう少しの気持ちが強かった。ただ、明らかに状態は上向いていた。
 「ずっと腰が悪くて練習も思うようにできなかったけど、最近やっと腰の状態も良くなってきた。冬場は好きだし、重いバンクは合っているんです」。その言葉はすぐに結果に表れた。続く松戸初日。位置は近畿の3番手。伊藤信のまくりが不発と見るや、最終4コーナーから俊敏に内に切り込み、1着でゴール。3連単は13万円を超える大穴になった。3・3バンクで、あの位置から1着。「もうあそこしかないと思って」。無我夢中で踏んだ結果だろう。石川に足りなかったものの一つがこの「無我夢中」だったかもしれない。準決は根本哲吏―河野通孝の3番手。根本がまくり3人で抜け出したが、河野が石塚輪太郎のまくりをブロック。内が空いたのだが、躊躇して4着。遠慮した印象を受けた。それでも最終日は2着で開催を終えた。
 函館ではまだ自信なさげだったが、松戸は見るからに自信ありありだった。185センチの恵まれた体格をようやく生かせられてきそうだ。「まだまだですが、本当に一時期より良くなりました。でも成績がまとまっていると言われるのではなく、決勝に進んで結果を残したい」。冬本番、石川の動きは要チェックだろう。


函館競輪場より