インタビュー

中本匠栄 熊本 97期 S級2班
高得点に自分もビックリ
 11月7日現在で108点をキープしている。「月が変わって一気に点数が上がった。自分でもびっくりです。もちろん、自己最高得点です。自分でも信じられないし、本当に自分なの? と、疑ってしまいます」と苦笑い。昨年後期の平均競走得点が98点、今年前期の平均競走得点が98.03の中本にとっては大躍進だ。今期は9月の広島でS級初優勝を果たし、近況は1着量産と大ブレーク中。「広島決勝はたまたまタイミングよく仕掛けることができて、それで勝てたという感じ。北津留翼(福岡、90期)さんや神山雄一郎(栃木、61期)さんなど、そうそうたるメンバーが揃っていたので、まさか自分が勝てるとは思いませんでした。まぐれですよ」と謙遜するが、続く青森記念でも3勝をマークと勢いは本物だ。

中本匠栄 熊本 97期
 好調の原因は「合志正臣(熊本、81期)さんに、セッティングをみてもらって、さらに乗り方のアドバイスをいただいた。これが自分にはしっくりいったみたいで、車の出がよくなった。あと、最近は落車もなく、ケガなく走れているというのが大きいかもしれませんね」と、笑顔で語ってくれた。
 今期は12勝をマークしており、来年3月に大垣で行われる「ウィナーズカップ」の出場権も視界に入ってくるが「えっ、そうなの? 自分にはビッグ大会は縁のないものと思っていましたから、考えもしなかった。選考基準すら知りませんでしたから」と、戸惑いの表情を浮かべる。本人は強くなっているという自覚がないようだ。しかし、坂本亮馬(福岡、90期)が「中本君は連係するたびに強くなっている」と語っているように、周囲の評価はうなぎのぼりだ。
 今後は初日予選で一番人気を背負って走るというプレッシャーとの戦いになりそうだ。現に11月久留米初日は人気になりながら「仕掛けのタイミングが中途半端だった。もっと、早く仕掛けるか、もっと待ってからのどちらかだったね」で、まくり不発の5着。辛くも準決に進出したが、反省ばかりの一戦だった。目に見えないプレッシャーをはねのけ、勢いを本物の実力まで昇華することができるか、今後は真価が試される。「気負わず、行けるタイミングを逃がさず仕掛けること」に集中できれば、アッサリ乗り越えそうな壁ではありそうだ。


久留米競輪場より