インタビュー

太田竜馬 徳島 109期 S級1班
さらなる飛躍へ
 次代を担うホープが争った「ヤンググランプリ2018」。頂点に立ったのは太田竜馬だった。昨年大会は準V。その雪辱を果たした格好になった。「前回大会の経験から、最後まで力を残している人間が勝つと思っていた」と言う通り、周回中は後方でじっと我慢。人気の山崎賢人が、佐伯辰哉に絡まれている瞬間を逃さなかった。インからスルスル位置を上げていき、番手まくりを放った佐々木豪の3番手を確保し、直線勝負。こうなればG戦線でもまれたキャリアが生きる。最終3角過ぎから早めに踏みだし、前を行く佐々木、南潤を捕らえた。「ゴールした瞬間は勝利を確信できなかったが、VTRを見て。本当にうれしい」と笑みを浮かべた。

太田竜馬 徳島 109期
 9月GII「共同杯」は優出したものの、最終ホームで、前を行く村上義弘を落車させて失格(斜行)。あのまま真っすぐ走っていれば結果は違ってきたかもしれない。この時の優勝は平原康多で、準優勝がグランプリを走る清水裕友だった。それから3か月、悪夢からやっと解き放たれた。デビュー直後から将来を嘱望されていただけに、今後の飛躍がいっそう期待できる。
 しかし、内容は決して褒められるものでもなかった。勝つことを前提にした走りと言えばそれまでだが、やはりもっと積極的に、自分で動いてレースを作ってもらいたかった。こう思うのは筆者だけではないだろう。なぜなら太田は、ヤンググランプリではなく、その上のグランプリに出場できる器だと思っているからだ。もちろん、タイトルを獲れる力は十分にあると思っている。「まだ力不足ではあるけど、どこからでも仕掛けられるような走りをしたい」。キレとスピードは申し分なし。華奢な体に肉が付けば、パワーも備わる。今大会はあくまでも通過点に過ぎない。2019年、太田はさらに飛躍するだろう。


静岡競輪場より