インタビュー

清水剛志 103期 福井 S級2班
ひたすらに、自分の道を信じて
丸1年の雌伏の時を経て、再びS級に帰ってきた。叔父の野原哲也氏(51期=引退)を師匠に持ち、従弟の野原雅也とは同期。体に流れる"徹底先行"のDNAは、清水の生き様でもある。だが、2年前に初めて経験したS級戦の高い壁は、おそらく想像以上だったに違いない。「戦法的はいろいろ考えるけど、やっぱり先行あっての自在戦だと思うので」。
168センチと決して恵まれた体格ではないだけに、競走で進んで風を切ることで、地力アップに努めてきた。

清水剛志 103期 福井
だが、それだけでは足りないことも分かった。教えを請うたのは、同県の先輩・鷲田佳史(88期)。「(昨年までの)A級の時はカマシ、まくりが主戦法だった。瞬発的な力を使う走りですね。それを、鷲田さんのアドバイスで乗り方を変えた。体全体を使って走る感じです」。聞けば、以前の鷲田自身も同じ踏み方をしていたのを変えて、成績アップにつなげたという。絶好のお手本は、身近にいたのだ。
1月31日からの高松記念は、久々のG3参戦。初戦は昨年の最優秀新人・山崎賢人(長崎)との対戦だったが、清水も番手が恩人の鷲田とあって、やる気満々だった。「S級復帰初戦の松阪F1は、ただ先行しているだけで999着。2戦目の取手はそれでも679着で、少しは前進した。来期はA級だし、今は我慢の時なのかもしれないけど、とにかく信じてやっていくこと。続けなければ意味がないですから」と、結果を焦らずスタイルを貫くことを誓った。同門の先輩・市田佳寿浩(76期)はバンクを去ったが、これからの福井、そして近畿を支えていく役割もいずれ回ってくる。努力の積み重ねの先に、きっと花が咲くはずだ。


高松競輪場より