インタビュー

島川将貴 徳島・109期・S級2班
追わなかった竜馬の背中
連係が外れた。追えなかった。いや追わなかった。それでも同期のライバルであり、ともに小松島の海原から吹く強風を切り裂いて、もがいた練習仲間は、最終ホーム8番手の絶望的な位置から仕掛けて、最後はゴール寸前で前団をとらえてみせた。激戦のヤンググランプリ2018は、太田竜馬は制した。自身は、太田とは離れ、内へ内へ入り込んで追い込んだが4着までが精いっぱいだった。

島川将貴 109期 徳島
「太田の番手という気楽さもあったし、緊張感はなかったですね。太田も警戒されて動けなかったし、仕掛けどころで山崎(賢人)にもフタをされていましたからね。仕方がない。後手に回った自力選手の番手でいることの悲しさ(笑い)も味わえたし、レースで初めて内に行けたしいい経験になった。ヤンググランプリは、あくまでもお祭り。大観衆の前でレースができて楽しかった」と最初で最後の出場となったヤンググランプリを振り返り悔しさを隠して笑い飛ばした。
16年7月にデビュー。2度の特別昇級で17年4月にはS級に順調に駆け上がった。その前には常に、太田竜馬という天才レーサーが先に突っ走っていた。だから少年野球をしていた小学校時代から、自分の息子が同じクラブチームで野球をしていた関係で何かと目をかけてくれた師匠の室井健一の言葉を胸に言い聞かせる。「前ばかりを見ても仕方がない。自分の足元をちゃんと見ながら長期的なスパンで強くなっていけばいい」。
ヤンググランプリ直前の11月の地元小松島FIでは、肉離れした右足にテーピングを巻く痛々しい姿ながら師匠を連れて激走。徹底先行を貫き、2、1、1着と地元Vを決めた。
「地元で師匠といっしょだったし、気持ちで走れた。高校まで野球は続けていたけど、師匠が走っていた競輪を小松島で見てからずっと憧れていたレーサーになれた。その師匠とワンツーも決められた。後は目標の日本一を目指すしかないでしょう。竜馬(太田)は練習仲間で親友だけど、目標じゃない。いつかは負かさないと行けない相手。今はそのための準備と経験を積み重ねる時期。そのためにやれることはなんでもやる」。YGPで追えなかった背中を近い将来とらえる覚悟だ。

小松島競輪場より