インタビュー

山田諒 岐阜・113期・A級2班
先行する脚を作る段階です
今は先行勝負あるのみ。そんな気持ちのこもった走りを2月の名古屋FIIシリーズでも見せてくれた。予選は打鐘から駆けての逃げ切りで3日間成績は①②④着。中部地区期待の逸材はA級1・2班戦でも着実に存在感を増し始めた。

山田諒 岐阜 113期
競輪オフィシャルHPのプロフィールには高校時代の自転車競技実績が並ぶ。2014、2015年全国高校選抜大会1kmタイムトライアル1位、2015、2016年全国高等学校総合体育大会1kmタイムトライアル1位。胸を張っていい数々のタイトルだ。「イケイケでしたね。自分でもすごいと思う。負ける気もしなかった」。文字通り高校王者だった。
だが、競輪は別物。競輪学校に入学してすぐに周囲との力の差を痛感した。「強い人ばかり。高校とはレベルが違った。そもそも対人の種目は得意ではなかったから」と振り返る。学校成績は38位に終わった。
それでも1kmで培われた地脚は徐々に競輪で発揮されつつある。昨年末に特別昇班。1・2班戦初戦こそ2連対できなかったが、続く岸和田で⑧①②着。2月の大垣では①②②着と全て先行で結果を残してみせた。「まだまだです。特進すれば評価はしてもらえますが、今S級に上がっても通用しない。まずはA級で脚を作り上げたい」。一人また一人とS級に特進する同期。それでも「自分は自分。焦りはありません。一度S級に上がったら下がりたくありませんから」。
競輪学校時代は65キロしかなかった体重は73~74キロに増量。増えた分は全て先行するためのパワーとなっている。「やはり僕は長い距離を踏んで勝つのが武器。カマシ、まくりの武器はないけど、先行する脚を作る段階ですからね。考えて走らなければ勝てない競輪は面白いと思います」。深谷知広、竹内雄作に続く中部の先行選手として、期待したい選手だ。


名古屋競輪場より