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鈴木裕 千葉 92期
気持ちも乗ってきた!
 復調をアピールするには十分な準決勝(5月30日)だった。1車で来たトルーマンには叩かれた鈴木裕だが、猛追する形で3着。先行できなかったとはいえ、自分の力でつかみ取った決勝切符だった。「突っ張って駆けるつもりだったのが良かった。宇都宮記念も初日6着で勝ち上がれなかったけど、調子自体は良かった。それ以前も着が悪かっただけで、結果だけを待っているぐらいの手応えはあった」。その宇都宮は2日目から3連勝。豊橋も連日、連絡みしてみせた。
 不振が続いた原因は約2年前に発症したヘルニア。ペダルを踏み直せず、立ち上げも思うようにできなくなっていた。そして、追い打ちをかけたのが痛風の発症。まさに「負のスパイラル」。どうしたら低迷から脱出できるか。一つの答えが、かつての絶好調時を望むのではなく、わずかでも上を求めることだった。「完治することはない腰痛に合わせてセッティングをガラッと変えた。平原(康多)さんらのアドバイスで、それがうまくいった。もう落ちることはないでしょう。現段階では100%だと思っています」。
 自転車が思うように進むようになったことで「気持ちも乗ってきた」とすっかり明るさも取り戻した。決勝は同県後輩の小野裕次に前を任されての自力戦。外国人コンビには屈したが、日本人選手では最先着の3着だった。「インを切る勇気が出てきた。この走りをこれからにつなげていきたい。やはり長く競輪選手を続けていきたいですからね」。これからの鈴木に注目だ。


豊橋競輪場より