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嶋田誠也 福岡 109期
驚異のV字回復

 2月岸和田決勝での落車からリズムを崩し、復帰してから8場所連続で準決敗退と低迷を極めた。「いい訳はしたくないけど、岸和田の落車で肋骨にヒビが入っていた。それが原因でピリッとしない。練習でもタイムが出ないし、レースでも結果が出ない。思った以上に末も甘くなっているし、歯がゆい思いばかりでした」と振り返る。
 調子を取り戻すために、練習に励むも「無理がたたって、6月には腰痛が出て高知と京王閣を欠場。もうボロボロでした」。7月小松島で復帰するも「今度は新ルールで誘導のペースが上がり、その戸惑いもあって」苦戦が続く。精神的にも追い込まれることになった。
 そんな嶋田を救ったのは、自身の強いを気持ちだ。「調子が悪い時だからこそ、セッティングはいじらない。下手にいじると訳がわからなくなってしまうからね。さらに、自分の調子が良かった頃のイメージを捨てること。調子の良かった時のイメージが残っていると、現状の自分とのギャップに苦しめられるだけ。今の自分が受け入れられなくなるし、まだまだいい時の状態まで戻っていないという気持ちだけが先行する。だから、思い切って一からの出直しという考え方にした。昨日より今日、今日より明日強くなればいいという感じで」。こんな考えを持つようになると8月地元、小倉で(5)(1)(4)と決勝進出。続く別府でも(3)(1)(6)と連続優出を果たした。別府決勝は宗崎世連(高知、100期)を叩き返すことはできなかった、果敢に巻き返しを図り、マークした地元、大分の大西貴晃(101期)のV取りに貢献し内容あるレースだった。
 これで満足する気はまったくない。「来年1月には初めてS級になるけど、このままじゃいけないという気持ちもあります。北九州では同世代の林兄弟(大悟=109期、慶次郎=111期)が頑張っていますからね。いい刺激になっています。さらに海(関門海峡)を越えて清水裕友(山口、105期)が(北九州メディア)ドームに練習しにきてくれる。練習環境も整っているし、これを生かさない手はないですよね」と、前を向く。スランプをきっかけに精神的にタフになった嶋田。夏場以降はグーンと調子が上向き、キッチリ結果を出してくれるはずだ。


別府競輪場より