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小川真太郎 徳島 107期 S級1班
師匠が認めた成長の証
「師匠の前で自分が成長した姿を見てもらいたい」。さらなる飛躍を胸に秘める20年(令和2年)。2月21日の向日町はそれを実現する最高の舞台が整った。準優10Rは先に師匠の久米康平が2角まくりでV候補筆頭根田空史の猛攻を阻んで勝ち上がった。11Rの弟子は、堂々の鐘4先行で2着に粘り込み決勝での連係が決まった。
小川にとって番手の久米に池田憲昭―桑原大志まで続く絶好の中四国ラインができた。しかし谷口遼平―稲川翔―椎木尾拓哉の中近ラインとは別に鷲田幸司が小川後位をジカ競りで戦うことを宣言して一筋縄でいかなくなった。師匠のアドバイスはひとつ。「俺は俺で頑張るからお前は自分で考えてレースに集中しろ」だった―。
レースは谷口の中近ラインが打鐘先行。4番手に付けた小川が2コーナーからあっさりまくり切った。久米は競り勝ち小川を追ったが、やや口が開いた隙を稲川にさばかれ後退。2着は稲川、3着には桑原が入り、師弟のワンツーとはならなかった。勝利者インタビューでは「ラインを固めてくれた師匠と池田さん、桑原さんのおかげ」と感謝の言葉を口にした。
師匠とは1学年しか違わなかったがレーサーを目指した高校時代から交流はあった。受験に失敗し一度は温泉旅館の板前修業に出たが諦めきれず再度受験して合格、弟子入りした。順調にS級、そしてGI出場までの道程を整えてくれた恩人だった。久米は小川のここまでの成長をこう話した。「最初は練習でも強いとは思わなかった。でも感性がすごく繊細でよくしゃべるしコミュニケーション能力が高い。GIの舞台で強い選手と交流することでいろんなものを吸収して意識が変わってくると練習でも自然と強くなってきた」。小川も「憧れの柴崎淳さんや清水裕友君に練習やレースのことなど聞けて参考になったし、刺激を受けてます」とGIで戦ってきた経験が飛躍につながったことを自覚する。
究極の目標はGI制覇。昨年は何でもできる自在派を目指すために試行錯誤を積み重ねた。脇本雄太らナショナルチームの面々の強さを身をもって体験。それでも絶対に勝てない相手ではないと認識している。「ケイリンと競輪は違う。勝てる組み立てと準備、経験値を積んでチャンスを狙いたい」と夢の実現へ照準を合わせる。


京都向日町競輪場より