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小畑勝広 茨城 115期
「定期昇級でいいと思っている」
 本当に欲がない。「チャレンジも定期昇級で構わないと思っていたのです。12月の佐世保レインボーチャレンジファイナルで9着でしたからね。走る前には多少、3着までには…という気持ちはありましたが、同期はみんな強かった。先行すらさせてもらえなかったですからね。コツコツと実戦で力を付けて行かなきゃと悟った訳ですよ」と、淡々と語る。しかし、レインボーをはさんで3場所連続完全優勝を決めて「暮れも暮れ、12月30日に特別昇班を達成してしまいました」と思わず苦笑い。
 本人は謙遜するが、そのパワーは間違いなくA級上位。1、2班戦初戦となった1月名古屋で2勝をマーク。続く宇都宮では完全優勝と快進撃が始まった。宇都宮初日は鐘過ぎ4角から仕掛け、叩き合いを制したもの。準決は番手に別線の自力型がはまるという危機を乗り越え、決勝は後位競りという展開をしっかりモノにしており堂々たるレース内容だった。「でもですよ。まだまだ、自分には(S級に)特進できるほどの実力はないと思っています。実際に特進している同期に比べて、爆発力というか、トップスピードがまだまだ足りない。すべてにおいて足りないところばかり」と謙虚な姿勢は崩さない。「幸か不幸か、1、2班戦は9車立ての配分ばかりなのです。しっかり、9車立てで戦えるような脚力をつけろということだと好意的にとらえています。まずは競走内容にこだわりたい。しっかりと長い距離を踏んで」と、徹底先行を貫く構えだ。
 3月の佐世保戦は「レインボーで大敗したイメージがあるので…」ながら、先行にこだわって1、2班戦2度目の完全優勝を決めた。「2月京王閣決勝で瀬戸(晋作、長崎、107期)さんに先着されたので、今回リベンジできたらいいですね」と、決勝の舞台は2周先行を敢行。別線を完封しており、本人の思惑と裏腹に、S級特進は時間の問題と思わせる動きを披露していた。この原稿が公表されるころには、ひょっとしたら…という気もしないわけではないが、あくまでも本人は「しっかりと力を付けて、そしてS級で師匠(須賀和彦、89期)の前で頑張るのが当面の目標です」と無欲を強調する。それでも「寒いのは苦手ですが、暖かくなるにつれ、さらに調子も上向いてくるはずです」なら、勢いはさらに加速するはずだ。


佐世保競輪場より