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谷口明正 三重 103期
完全復活にむけて
 競輪に落車負傷はつきもの。谷口もA級に降級して4場所目だった2月・奈良の最終日で大きなケガを負った。診断は右肩鎖関節脱臼、右肋骨骨折。3カ月以上も戦列から離れることになった。「レース前に帯状疱疹が出ていた。だから何となく嫌な感じはしていたんです。でも準決で9着となったタイミングで帰ると誤解される。それで最終日も走ったんです。痛いケガでしたね。今期はS級点を取っておきたかったので」。
 ケガは治る。しかし完全復活までの道のりは大変だ。「背中の筋肉が落ちてしまった。服もぶかぶかになってしまったほど。体重自体は増えたのですが筋力はまだまだですね。それでもレースを走って戻さないと。」5月に入ってから練習ではもがいてきたが、本来の状態ではないことはよく分かっていた。
 そんな状況下で迎えたのが5月20日からの豊橋FIの復帰戦。1R予選の接戦番組は3番手を確保すると最終バックでまくり切って快勝。準決は売り出し中の岩谷拓磨(115期)を相手に2車で打鐘先行。9着に終わったがレース後は清々しい笑顔を見せた。「あと30メートルでしたね。3角で振りたかったが、リスクが大きいのでやめておきました。今はタテ脚を磨く時で、前に踏むことが大事ですから。とにかく力勝負をして力を出し切りたかった。やりたいことはできたと思う。」
上々の復帰シリーズといえるだろう。最終日こそ不発に終わって「脚を余してしまったし僕のミス。立て直すポイントもあっただけに、まだ余裕がないということでしょう。勉強にはなりました」と肩を落としたが、初日と2日目の組み立て自体は問題なし。あとはいかに脚を付けていくかに尽きる。「豊橋に来るまでは不安が大きかったけど、来て良かった。今後の課題が見えましたからね。」
7月には弟弟子(117期・下井竜)もデビューする。「彼と一緒に走りたいし、まだまだ自力で頑張りますよ。師匠(萩原操)にしごいてもらってきます。」S級点勝負を懸けて改めて戦う来期は完調で迎えられるように、脚を磨き上げていく。


豊橋競輪場より