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松岡辰泰 熊本 A級2班
自分が先に負けたくなかった
早期卒業の2人以外にも優秀な選手がそろう117期。9月1日の時点ですでに7人がチャレンジデビューから9連勝で特別昇班を果たした。しかもA級1・2班戦でも完全Vを飾るなど将来の競輪界を引っ張っていく逸材ばかりだ。
そんなハイレベルな選手がそろう中で、注目したいのがチャレンジを9連勝で特別昇班した松岡。熊本の松岡といえば孔明、貴久、孝高のS級3兄弟があまりに有名だが「親族としての関係はまったくありません。でも四男坊キャラで売っていこうと思ってます」と周囲を笑わせる愛きょうたっぷりの男だ。
実力は申し分ない。日本競輪選手養成所成績は7位。高校から自転車競技を始め、日体大では全日本大学選手権でケイリン2位など活躍した。「実は高校卒業後に競輪選手になろうと考えていました。でも当時、強くて神の上の存在だった高校の先輩が受からなかった。それで進路変更したんです」。
結果的にそれが正解だった。高校では中距離選手だったが、大学では短距離に転向。一気に才能が開花した。「ウエイトトレーニングの効果ですね。短距離選手として必要なスピードが付いたんです。競輪もスピードがある方がいいので本当に大学進学してよかった。養成所も一発で合格しましたしね。それに交友関係が広がったのもよかった。」
A級1・2班戦の初戦だった別府は完全V。2場所目となった8月31日からの防府FIは12(2)着と連勝が止まった。しかしいずれも果敢に先行してのもの。内容はいい。「同期の上位グループの中で誰かが負けるまで自分が先に負けたくなかった。甘くはないということですね。でもルーキーチャンピオン出場を目指して頑張っていきます。」
現状の課題はダッシュ力。「まだ全部の脚が足りていませんが、ダッシュ力さえ付けばもっとすんなりと前に出られる。目標選手?清水裕友選手ですね。長く踏めるし何度もでも踏める。戦うスタイルがいいですね。」
敗れても明るく振る舞う姿にも将来性を感じさせた。


防府競輪場より