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直送!競輪場便り
山田庸平 佐賀 S級1班
自力と番手の両面に対応することがこの先の生命線
 ビッグ戦線で着々と数字を上げており、直近4ヵ月の競走得点は111点を超えた。安定性を身に付けたように見えるが本人は迷いがあるように感じる。
「人の後ろを回る番組が増えていますが、もちろん誰もいない時は自分でやりたい気持ちはあります。その思いがレースの中で中途半端になってしまっている」
 たしかに最近は目標を配置される機会も増えており、自力で動く場面では九州同士でも並ばずに単騎で戦う場面もしばしば見受けられる。
 6月の高松宮記念杯では自信を失いかけた。西・準決でラインを組んだ山崎賢人の鐘過ぎカマシに離れてしまったからだ。「あれが頭に残っていた。だから地元に帰り練習方法をガラっと見直しました。賢人に離れない対策というよりは、違うトレーニング方法を取り入れて底上げしていく方法です。だけどすぐには正しかったかどうかは分からないでしょうね。1、2ヵ月経ってからじゃないと」
 ただ、見失っているだけではない。岸和田で言えば山崎に離れた翌日に単騎で走り、深谷知広の番手にハマって2着をキープするなど、自力で走っても攻め幅のある走りができている。
「最近、目標があって若い後輩がいつも頑張ってくれるのがうれしくて。自分が彼らの年齢だったときにはそこまで役立てなかったのに…。だから番手に付く時は責任をもって仕事がしたいんです。残せたのに残せなかった時なんか、すごく悔しい」
 選手生活も13年目に突入し、年齢的にもキャリア的にも実績を積み、変化が求められている。自力と番手の両立をこなすことが、この先、上位戦線を生き抜くためにも大事なこと。元々、器用さを兼ねた選手であり、たやすく対応していくことだろう。


武雄競輪場より