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直送!競輪場便り
平原康多 埼玉 S級S班
平原先生

いわき平オールスターは古性優作のGI初優勝で終わった。間違いなく、これからは近畿に風が戻る。ナショナルチームの脇本雄太と新田祐大が競技から卒業すれば、中国ゴールデンボーイの松浦悠士と清水裕友も我が世の春とは行かない。これからは"個"の力より、地区対抗のライン戦が主流になる。もう3年も4年もタイトルから遠ざかっている平原康多にすれば「力勝負で勝ちたい」と言う気持ちがあっても、現状のライン戦を考えれば厳しい。今後、どう関東の若手を育てて行くかがテーマになる。個人の自主性を重んじ、関東の若手が勝手なレースをやっても、今迄は庇い、煩い事は言ってこなかった。だけど、これにも限界がある気がする。他地区の選手の番手を回ったのはグランプリとオールスターのドリームでのワッキーだけ。ここにも強い拘りを持つ。「ドリームは五輪直後の疲れが残るワッキーと共倒れだったけど一ミリの後悔もなかった。決勝は、とにかくワッキーが強かったとしか言えない。ひと言で言えば、衝撃的な強さ。さすが、競輪界の頂点に君臨する男と肌で実感した。脇本の後ろを回るのだから、深谷知広君に付くと思ったファンがいるかもしれない。だけど、そこは違う。自分も自力選手だし、誰かれ構わず付く安易な走りは、今後もやらないと思う」。ただ、福井記念で後輩の森田優弥が他地区の郡司浩平に付いて欲しいとリクエストした事案を、少し意地悪気味に平原に振ったが「お互いが、その時、ラインだと思えば、ラインは成立する」と平原らしく優しく大人の対応だった。中部の黄金時代は山田裕仁、山口幸二、浜口高彰と役割がシッカリしていた。近畿も村上義弘を頂点に統率が取れている。武田豊樹が一線から遠ざかった今、関東のラインは平原一人で構築して行くしかない。優しく育てる平原先生のままか、それとも、今後は厳しく若手に接するか注目したい。


いわき平競輪場より