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取鳥雄吾 岡山 S級1班
大きな収穫を得たGI開催
GI「競輪祭」は実りの多き開催だった。終わってみれば2、1、9、5、9着。一次予選1、2は豪快なスピードと力のこもった立ち回りで連対を果たした。特筆すべきは、いずれも「逃げ」の決まり手を付けたこと。上位を相手に一歩も引かぬレースは圧巻で、一次予選1は大会連覇を狙う郡司浩平、一次予選2は当大会3Vと「競輪祭」を知り尽くす平原康多と、SS両者に先着を許さなかった。
「できすぎで怖いぐらいでした。2走目は自分の思うようにもがけるようになったし、手応えがあった。小倉は相性がすごく良い。優勝はS級を含めて何回もあるし大好きなんですよ」とドル箱バンクと化した当地をノビノビと駆け抜けた。
3走目は準決フリーパスの「ダイヤモンドレース」。残念ながら中四国勢の援護は得られなかったが、代わりに九州の山田庸平―園田匠がラインを固めた。地元勢に託され意気に感じた取鳥に迷いはなく、躊躇せず先行策に打ってでた。「もう無我夢中でした」と振り返ったレースは、山田が新田祐大に合わせて番手まくりすると、園田が直線を突き抜けた。取鳥は大敗したものの両者の確定板進出に貢献した。
4走目はGI準決勝にも物おじすることなく、松浦悠士を引き出す積極策。5着と惜敗したため初のGIファイナルこそ逃したが、最終日の5走目にも大逃げを打ち、存在感をこれでもかとアピールした。
普段から「位置取りや組み立てはむちゃくちゃ下手くそなんです」と自虐的に話すが、そのぶん長い距離を踏む事には自信を持っている。GIの大舞台で持ち味を発揮できたことは大きな自信となったはず。デビューから6年目、ここでひと皮むけたのか。これからの動向には注目だ。決して今回がフロックとなってはいけない。


小倉競輪場より