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嘉永泰斗 熊本 113期
ハードルを乗り越える1年が始まった
 今期は初のS級1班に昇格。昨年は3月松坂『ウィナーズカップ』、9月岐阜『共同通信社杯』とビッグレースを経験し、共同通信社杯では準決まで勝ち上がった。さらには10月地元『熊本記念in久留米』で待望のGIII初制覇を達成した。
 今年1年は更なる飛躍の年として期待されている。「今年の目標としてはやっぱりGIで活躍したい。それも走るだけではなくしっかり結果も。大きいレースを見てトップの人たちの考え方とかも勉強したいですから」とステップアップへ向けて目を輝かせる。
 ただ、ここ最近は明らかにオーバーワーク。年末から年始にかけて走りっぱなしで疲れがレースにも現れている。「12月の佐世保は良かったんですが、そのあとは疲れからかぜん息っぽい症状もでた。休めば何ともないけど乾燥しているし時期的なものですかね」と労わったが、少なからず影響もあったか1月和歌山記念は二次予選で敗退とらしさを欠いた。
 この先はコンディションの回復に努めて前を向いて取り組んでいく。師匠の倉岡慎太郎は嘉永の今後をこう分析する。「早く地元記念を獲ったことで、この先、周りから求められるものが高くなるでしょう。そこをどう乗り越えるかですね。練習でもマジメだし、考え方もしっかりしているから大丈夫と思いますが、やるのは結局、自分ですからね」
 現在は地元の熊本バンクが改修中のため、倉岡の率いる「甲佐グループ」で街道を乗り込むほか、空いた時間は久留米競輪場に出向き練習に励んでいる。グループには兼本将太や上野優太らがおり、久留米には熊本から同じく出向く同型のパワータイプが目白押し。一大勢力となりつつある熊本の若手軍団が脚を磨き合っている。
 その中でも頭ひとつ抜き出た存在となった嘉永は、同僚たちの追随を振り切り更なる高みを目指していく。まず注目を集めるのは2月に行われる取手『全日本選抜競輪』だ。初出場となるGIの大舞台へ向けてどう立ち回るか、動向には注視したい。


熊本競輪場より