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野田源一 福岡 S級1班
常に一撃を秘め
困った時の野田―全―全。穴党ファンには単騎の野田の頭を買って高配当を狙うのは定番だ。不惑の年を過ぎても単騎から自力を繰り出し混戦をずばり突く。22年も健在ぶりを見せつける。
年頭の和歌山記念でも自力を繰り出し2、2着で準決に駒を進めた。準決は5着に終わったが、根田空史、松浦悠士のたたき合いを誘う位置から、後方の接触のあおりがなければチャンスはあった。
21年のハイライトは、10月平塚記念の2次予選だった。最終ホーム8番手から先行した新田祐大ラインをのみ込む大金星。上がりタイム10秒6はバンクレコードにコンマ1秒に迫る破格のタイムだった。「自分でも驚いてます。この年で出せたのは自信になりました」と興奮気味に話した。
99年にS級に昇級すると2度A級に落ちたが、01年に再昇級するとそれから20年以上、S級をキープした。「自力にこだわり常に上の舞台で戦うことを意識してコツコツとやってきたおかげだと思います。34歳前後に自然と追い込みに移行する時期があったけど、相手に任せるスタイルは性格的に合わないと思って1年ぐらいで辞めました。練習でも基本は街道で1人でもがく。近況は室内での電動バイクを使った練習も取り入れてやってきた。いつまで自力でできるかは体力しだいになるので分からないけどやれるまでは自分でやっていきます。」
取手全日本選抜を控える2月の高知FⅠでは誰も仕掛けてないのを見越して1周先行で6着に終わったが、準決は自分のタイミングで仕掛けてあっさりまくり切った。決勝は関係者に新型コロナウイルスの陽性者が出て行われなかったが手応えをつかんだシリーズとなった。「競輪祭にピークを合わせてきた貯金がまだ残っていますね。全日本選抜、ウイナーズカップ、それに久留米記念もある。今年はこの舞台でどれだけ自力で見せ場をつくれるかですね。気持ちを盛り上げていきたいですね」と気迫をみなぎらせる。
野田にはやはり9車立ての大舞台が映える。強者たちが主導権を巡り激しいつばぜり合いをする中を一撃で仕留める。ファンにその勇姿を何度も見せて穴党ファンを歓喜させる。


高知競輪場より