インタビュー

6月4日の西武園2日目の勝利で500勝を達成した有坂直樹選手。通算25人目(昭和58年4月以降)の快挙です。今回のインタビューでは、500勝までの思いや、思い出のレースなどを語ってもらいました。
早く500勝したいと思っていたので、達成出来てホッとしました
-まずは500勝を達成した感想を教えてください。
「500勝は区切りだったので、400勝の後半から早く500勝したいなって気持ちでいたんです。500勝を達成した選手もあまり現役で走っている選手も少なかったし、早く500勝したいなって気持ちだったので、達成して、ホッとした気持ちでしたね」
-500勝まで少し足踏みした感もありましたね。
「そうですね。そこまではトントン拍子できたんですけど400勝から500勝が一番時間がかかりましたね」
-500勝した時のレースを振り返って、いかがでしたか?
「西武園の2日目で、負け戦だったんですけども、北海道の大澤哉太君が1周半全開で行ってくれて、やっと1着を取れたなって感じでした。大澤君もプレッシャーあったみたいで、負け戦だったのでメンバー的にゆるかったのもあるんですけども、後ろが僕だったので、ちょっと緊張していましたね(笑)。あと1勝になると、前の選手が緊張するのか嫌がるというか、川崎記念・桜花賞の時も『有坂さん500勝かかっているから頑張ります』って言ってくれた後輩もいたし、やっと気を使われるのがなくなりました(笑)。ここ半年くらい500勝がかかっていてずっと言われていたので達成出来てホッとしました」
-500勝の喜びは誰に一番伝えたかったですか?
「宿舎で、北日本の若い子たちが500勝達成のパーティーをやってくれました。あとは、家に帰ってからも『500勝したね』くらいな感じでしたね。でも、この間の表彰式で、退職金が少しアップするってことがわかって、家族は喜んでいます(笑)」
-でも、まだまだ退職は先ですよね。
「まだ子供たちが成人するまでは頑張ろうかなって思っています」
-最近の練習はどういう感じでやっているのでしょうか?
「秋田に行ってやっています。もう冬季移動もやってなくて、ずっと秋田でやっています」
-その時は室内ですか?
「冬は室内って感じですね」
-話は少し変わりますが、500勝までを振り返って印象に乗ったレースはありますか?
「やはり節目になったレースですね。400勝の時は、山崎(芳仁)が小嶋(敬二)を相手に2周先行してくれましたね。山崎が『あと1勝で400勝ですから』って言ってくれて、それがふるさとダービー小松島の初日特選だったと思います。最初の100勝とか200勝は自力で動いている時だったので、その時も何となく覚えているんですけど、やっぱり一番印象に残っているのは400勝、500勝を達成した時のことですね。
 あとはGIを初めて優勝したダービー(2007年)ですね。イメージ的にグランプリは何か知らないけど獲れたみたいな感じだったけど、グランプリよりもダービーの方が単騎だったので、決勝は落車もあったんですけど、一応…捲りだったので(笑)、そういうのもあって印象に残っているのはダービーですね」

最終1センターで落車。1番有坂は落車を避けて最後方。

最終バック。捲って行く1番有坂。

捲りきってゴール。2006年のKEIRINグランプリ2006に続き優勝。

ウイニングランの有坂。

第60回日本選手権競輪の覇者となった有坂。
-ダービーを後方から一気に捲って優勝した時は、周りもすごいって騒いでいましたね。
「あの時は、すごい落車があったので、その落車を避ける意味でも退避して、もう一か八かみたいな感じで捲っていった感じでした」
-あの時は写真を撮っていて、よく覚えています。
「あの時に戻りたいですね(笑)」
-グランプリの優勝(2006年)は、吉岡稔真さんの引退もあったので、ちょっと複雑な感じでしたね。
「ダービーもグランプリも、どっちも優勝出来て嬉しかったですね。賞金1億円だったし、吉岡の引退はあれはあれで(笑)」

KEIRINグランプリ06のゴール。有坂が5番車

KEIRINグランプリ06の表彰。
-これからの目標はどのようなところでしょうか?
「50歳まではS級にいたいっていうくらいですね。あとは、最近ちょっと特別競輪に出られていないので、出たいなって思っています。特別競輪を見ていても若いやつばかりで、がらっと時代が変わってきたなって思いますね。決勝戦を見ても。もう40歳代の選手は少なくなってきているので。でも、もうちょっと頑張りたいですね」
-まだまだ有坂選手に活躍して欲しいです。
「ケガをしなきゃ、何とかやっていけると思うんですけど。なので落車だけは気をつけていきたいと思います」
-北の番長の存在感を若い選手に示してください。
「(佐藤)慎太郎に最近、特別競輪が面白くないって言われるので、なかなか出られるものじゃないですけど、そういう気持ちで頑張りたいですね」
-最後に、応援してくれるファンにメッセージをどうぞ。
「この頃、成績もあまり良くなくって、オッズ通りとかファンの期待に応えるレースがなかなか出来ていないんですけど、もうちょっと頑張って、期待に応えられるように頑張りたいなと思っています。これからも応援よろしくお願いします」