4月12日、西武園競輪開設65周年記念ゴールドウイング賞(GIII)、第9レースに行われた105期ルーキーチャンピオンレースを優勝した畑段嵐士。
畑段にレース直後の喜びの声を聞いてみた。また、今後の課題や目標も語ってもらった。
ゴール前でハンドルを投げて手応えがあったので、嬉しかったです
優勝した直後に今の心境を聞くと畑段嵐士は「嬉しいのひと言ですね!」と、開催中で一番の笑顔を見せて答えてくれた。
レースを振り返ってもらうと
「集中していて、そこまでよく覚えていないんですけど、ゴール前で手応えがあったので、嬉しかったです」
レースでの位置は同じ近畿地区の野口正則の後ろを選択した。
「作戦は、前々で行けるところから仕掛けてくれたらみたいな話はしていました。もう信頼してついていくだけでしたね」
レースは、吉川嘉斗がスタートを取り、清水裕友、吉川の中四国勢が前、堀兼壽、神田龍、野口大誠、渡邉雄太、高木翔、野口正、畑段の並びで周回を重ねた。青板バック過ぎから野口正がゆっくり上昇すると、渡邉が赤板から一気に先行態勢に入った。
しかし、3番手で神田と野口正の競り合いになった。
その時は焦ったりはしなかったかを聞くと「なかったです」ときっぱり否定した。
「野口はヨコも出来るので、大丈夫と思っていました」
外を鋭く伸びてくる9番車・畑段
最終バックで高木が車間を空け、野口正も仕掛けようとするが行き切れず。その上を清水が捲っていく。畑段は空いた内側から抜けて、最終4コーナーから外を伸びていき、ゴール前に清水を交わして優勝を決めた。
「コースが空いて、高木がどういう動きをするのか見て、(最後は)内が空いたら突っ込もうと思って見ていたけど、気がついたら外を踏んでいました。 (ゴール前)ハンドルを投げて、これはちょっとだけ勝ったなって思いました」
運があったと畑段は言うが、競走前に意識していた通り「レースの流れを見ながら、しっかり対応していこうと思っていました」冷静にレース運び、チャンスを逃さず動いたことが優勝につながった。
前日のコメントでは「優勝を目指して頑張ります!! 自信は…ちょっとあるけど、でも、皆強いからわからないですね」そう言っていた。
「9分の1ならあるかなと思ったのと、練習の調子もよかったのでいけるかなと思っていました」
声援に応えガッツポーズ
ゴール直後に、ガッツポーズを決めた畑段。
「あれは、ガッツポーズしておこうと思ってしました(笑)」
と、力強いガッツポーズとその後のコメントにギャップを感じずにはいられない。
自分の性格は「ボーっとしていますね(笑)」というが、レースで見せる鋭い動きと少しふわっとしたところのギャップ、それも畑段の魅力の一つだと思う。
ルーキーチャンピオンに輝いた喜びを誰に伝えたいと聞くと、
「両親とか家族とか、普段、練習でお世話になっている人たちとか、応援してくれている人たち皆ですね」と、応えてくれた。
師匠(武田哲二)から行く前にアドバイスは
「頑張ってこいって、それだけ言ってもらいました」
また、西武園記念に出場していた京都の先輩たちからアドバイスは
「獲ってこいって言われました(笑)」
さっぱりとした掛け声だが、しっかり畑段の背中を押してくれたようだ。
今は何でも出来る選手になりたいですね
デビューからここまでを振り返ると「自分の予想以上に順調ですね」という畑段。
自分のセールスポイントはどこだろうか?
「最後まで諦めない心ですね!」
器用なレースも十分ポイントだと思うがと振ると
「そうですね、それもセールスポイントって言ってもらえると嬉しいですね(笑)」
と、本人はまだ自信をもっては言えないようだ。これが自信を持てるようになった時、またさらに一皮むけてくるだろう。
これからはどのようなレースをしていきたいのだろか。
「どこからでも1着を取れるような選手になりたいです」
競輪学校時代は、追い込みが多かったが、早く追い込みになりたいのか? それとも自在で何でもやりたいのか?
「後々は追い込みになっていきたいと思っていますが、今は何でも出来る選手になりたいなと思います」
そのために今の課題は?
「単純にまだまだ力がないですし、スピードもないので、まだ上では通用しないと思うので、練習して頑張りたいと思います」
これからは105期ルーキーチャンピオンとして、注目されるだろう、プレッシャーは今まで以上に掛かってくる。
「走ってみないとわからないですけど、でも、最近、段々とプレッシャーに強くなってきたと思います。でも、そこはあまり気にせず、人気でも人気ではなくても変わらず頑張るだけですね!」
ルーキーチャンピオンを共に戦った同期へのコメントを聞いてみた。
「今回はありがとうございました! また走る機会があったらよろしくお願いします」
そして、最後にファンにメッセージ聞くと
「今日はありがとうごいざいました! おかげさまでルーキーチャンピオンレースを優勝することが出来ました。またこれからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!!」
このルーキーチャンピオンレース優勝を機会に、さらなる躍進をみせてくれそうだ。これから畑段嵐士の名前から目が離せないだろう。
畑段嵐士(はただん あらし)
1990年10月12日生まれ。24歳。身長175.6cm。体重72.1kg。名前の由来は「本当は、もっと落ち着いた名前をつけようと思ったらしいんですけど、占いの先生がこういう感じの方がいいって言われたそうです(笑)」