インタビュー

今年に入ってから、すでに優勝3回と好調の古性優作。バック本数17本(4月20日現在)と徹底先行に加え、どんな展開でも1着を目指す魅力あるレースを見せてくれる、現在、要注目の若手選手だ。古性に好調な理由、そしてこれからの目標について聞いた。
練習とフレームを変えたことがマッチしました
勝率34.6%、連対率50.0%、3連対率61.5%、バック本数17本、今年に入ってすでに優勝3回を数え(4月20日現在)、好調の古性優作。その好調の理由を聞くと、古性は
「練習とフレームですね」
と答えてくれた。
「フレームはちょっと変えて、練習も変えたら、それがマッチしたっていう言い方の方が正しいかもしれないですね。昨年の10月から変えたんですけど、そこでつかんだ感じですね。それからは、記念以外では決勝を外していません」

その気になるその練習方法は
「今は街道メインでしんどくなる練習をしているって感じです。ギアを軽くして、それを引っ掛ける感じで、わざとしんどく乗っている感じです。楽に乗ろうと思えば乗れるけど、そこを楽に乗らないようにするって感じで練習しています」

ギア規制の影響を聞くと、問題ないときっぱりと答えてくれた。
「元々、自分はそんなに重たいギアを踏んでなかったので、ギア規制は特に問題ないですね。でも、トップの人は皆強いのでそんなに変わらないって思いますから。そこに関しては、そこまで思わないですけども」

だが、ギア規制後、古性と同じく元BMXの黒田淳らも好調で、BMXに乗っていたことが、いい方に影響が出ているようにも思える。
「どうですかね、僕はあんまり他の人を見てないのでわからないんですけど。でも、元々、BMXはギアが軽いので、それの良さが出ているのかもしれないですね」
3月立川FIの決勝戦でも竹内雄作の先行を一気に捲って、2着に3車身差をつけて優勝をした。これは回転力を活かしたレースだったと言える。この回転力は今の競輪で大きな武器になる。
ダービーは仕掛けるタイミングとか勉強になりました
ダービーでは惜しくも一次予選タイヤ差4着で敗れたが、3日目選抜は捲って1着、4日目選抜は先行して7着、最終日も渡邉一成に捲られはしたが粘って3着に入った。
古性自身にダービーを振り返ってもらった。
「ダービーは勉強になりましたね。僕は脚がないので、それで仕掛けるタイミングとか勉強になりました。基本は先行でやっているんですけど、なかなか自分のもてない所から駆けた時はきついですからね。脚があれば、引いてもいいかなって思えるかもしれないですけど、自分は脚がないので、引けないところは引けないですね。難しいですけど」

引けないところは引かない、それは3日目選抜で見せたレースだ。打鐘前に志村太賀に前に出られ、坂本亮馬にフタをされるが、古性は引かず。競り合い、結果3番手に入るなり、そこから捲っていって1着を取った。レース後に志村に『あれはバックを十数本持っているヤツの競走じゃない』と言われたほどだった。
「はい、それは僕のスタイルとしてやっているので。でも、バック本数は減らさないようにと思って走っています」
積極的に最終バックを取った結果がバック本数17本になった。
「そこでは前に出ていた方が、ラインで決められる確立もあがってくると思うので、そこは意識してやっています」

古性がどこを目指すのか聞くと、少し考えなら話してくれた。
「GIの勝ち上がりを先行で勝ち上がっていきたいですね。…目標は…、うーん、難しいですね。僕のイメージの僕が目標でありたいけど。うーん、そうですね。何でも出来る選手になりたいですね。何でも出来るって言っても、やはり先行も出来るという人は多くはないと思うので、先行含みで何でも出来るようになりたいかなって思いますけど」

「先輩たちにはしっかり信頼されるように頑張りたいですね!」
そして、こう付け足してくれた。難しいレース展開でも何とか行こうとする意思、ラインで決めるという思い、それが伝わるからこそ古性は先輩たちからの信頼に厚いのだろう。

最後にきっぱりとした口調で
「今年はしっかりGI決勝に乗りたいですね!」
と目標を語ってくれた。
大阪の先輩たち、近畿の先輩たちの背中を追い、目標のため一歩、一歩登っていく。近畿は脇本雄太をはじめ、稲毛健太、三谷竜生等など若手先行選手も多い。だからこそ、そこでもまれ、育っていく古性は先行選手としてこれから大きく化ける可能性は十分にある。昨年以上にビッグに出られるチャンスのありそうで、今年は古性にとってもチャレンジの年になるだろう。

「これからも精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします!」
古性の"精一杯"は、どんなレースでも前へ、前へ踏んでくる走り。その熱い走りを見逃す手はない!
古性優作 (こしょう ゆうさく)
1991年2月22日生まれ。24歳。身長168cm。体重77.2kg。今年3月5日に和歌山FIで100勝を達成した。