共同通信社杯（GII）で惜しくも決勝2着だった清水裕友選手。今年は全日本選抜で初めてのGIに出場したことを皮切りに、目覚ましい活躍を見せてくれている。インタビューに「学校時代は苦痛で」や「A級の時はそこまで考えて走ってなかった」「練習は…、うーん、最近は楽しくやっています」と話す大変正直者の清水選手。だからこそ、今を語る言葉を強く感じられる。
目標に向かいさらに勢いを増す清水選手から目が離せない。
目標に向かいさらに勢いを増す清水選手から目が離せない。
－清水裕友選手が、競輪選手を目指したきっかけは何だったんですか？
共同通信社杯（GII）決勝戦を走る清水裕友
－プロフィールを見ると、中学時代は柔道とありますが。
「はい、柔道と自転車、両方やっていました」
－高校は？
「もう自転車一本でしたね」
－競輪学校時代は？
「毎日が苦痛で（笑）。毎日、同じようなことをしないといけないので僕は決められたことを続けるのはあんまり好きじゃなかったですね」
－デビューした時は？
「嬉しかったですね、そこを目指してやってきていたので」
－デビュー戦は？
「緊張したのは覚えてます。嬉しかったけど、走ってみたらこんな感じなんだなぁって思いました。賞金をもらってもあんまり実感なかったです」
－今は？
「今はもう何か不思議な感じで、仕事しているっていう感じはないですね。でも、レースは好きなので、なんというかお金を稼ぐためというより勝ちたいというか負けたくないって思ってやっていることが結果的にお金がついてくる感じですかね」
－練習が仕事ってよく聞きますが、楽しんでやっているんですか？
「いや、うーん、練習は……、うーん、最近は楽しくやっています（笑）」
－前は苦痛？（笑）
「やっぱりきついので」
－練習はグループでやっていたんですか？
「今もグループで、防府にいる人たちと一緒にやっています。以前は、なかなか自分の意識があがらないところがあり、ただ漠然と練習していた感じでした。A級で走っていた時はただ漠然と走っていたらS級の点数が取れたので、こんな感じでやっていくのかなってくらいの意識で練習していたんですけど、S級にあがって全然ダメで、このままじゃいけないって思って、自転車のことを考えるようになってからは練習も楽しく出来るようになりましたね」
－山口の練習仲間は若手も出てきていると思いますが、どんな感じなんですか？
「國村（洋）さんとか山下（一輝）さんとか、出てきた宮本隼輔とか、けっこう山口の選手たちは防府競輪場で一緒になるので、皆でやっていますね」
－バンクと街道はどちらが？
「バンクオンリーですね」
－気持ちが変わったのはいつぐらいから？
「S級にあがって、勝てなくて、3～4か月くらい…。最初は慣れてないせいだって思ったんですけど、脚力不足を感じ出してからですね 」
－勝ちたいなって気持ちが芽生えた感じですか？
「もともとそれはあったんですけど、そんなに考えないでも、練習して、普通に走っていれば、なんとかなるだろうって思っていたんです（苦笑）。それがS級にあがった時にうちのめされたじゃないけど頭打ちになったので、このままじゃ終わっていくなって思ったんです」
－ジュニア時代に結果も出しているし、脚力的には自信はあったんですか？
「いえ、なかったですね」
－でも、ジュニアのアジア大会で2位ってすごいと思いますが。
「いえいえ、高校時代もなんとなく練習やっていたらいけたみたいな感じだったので。自分で考えて、努力するタイプではないので、僕（苦笑）」
－それで変わったんですね。
「そうですね」
－一番、何が変わったんですか？
「一本一本レースを想定しながらやったり、乗り方もそうですし、部品も一つ一つ自分に合うものを試してみたりとか、そういうことが段々と出てきたんだと思います」
－それが今年に入ってからはグレードレースで一気に活躍するようになったんですね。
「それにもつながったんだと思います」
－まだGIII優勝がないのが意外ですが、気にせず？
「気にしてないですね。周りが強いので、自分の力ではまだまだ足りないのかなと思っています」※当初「S級優勝」と記載していましたが「GIII優勝」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
－グレードレースで活躍していますが、逆に宮杯初日の9着はどうしてだったんですか？
「あの時は自分の力以上のことをやろうとして失敗した感じだったので」
－番手戦は苦手？
「いえ、そのまま先行しようと思っていたんですけど、あの時は川村（晃司）さんに出られたから、出られたから番手（南修二）にいっただけでした」
－出られたのは油断？
「いえ、油断はしてなかったけど、あんまり長い距離が得意ではないので、ペースをちょっと落としたところでこられた感じでした。5着権利みたいな勝ち上がりだったし、なんとかいけるのかなって迷いながら踏んだら、ちょっと中途半端になってしまいましたね」
－ちなみにヨコは？
「嫌いじゃないと思います。出来る出来ないは別にして、することは苦ではないですね」
－どんな選手を目指していますか？
「うーん、そんな理想像というのはないですけど、何でも出来る選手になりたいですね。先行しても強いし、位置も取れる」
－今のスタイル？
「そうですね、今のスタイルで、もっと先行で粘れるようにしたいですね」
－先行力をつけたい？
「はい、先行力が課題だと思います。先行で勝てるのが一番強い勝ち方だと思うので」
－今年は賞金もかなりアップしたと思いますが、使い道は？
「そんなに何かを買ったとかはなかったですね。だからといって貯金が出来ているわけではないですけど（笑）。身体のケアとか、自転車のことにはお金をかけるようにしているので、今はそっちに使っていますね」
－今年はあと親王牌、競輪祭とありますが、目標は？
「せっかく共同通信社杯で決勝に乗れたので、どちらかで決勝に乗りたいなっていうのは欲を言えばあるんですけど。でも、GIはまだ準決勝も乗ったことがないし、目標は大きく特別の決勝に乗りたいというのはあります。あと今年の年頭から目標にあげたのは防府記念の優勝ですね」
－防府記念に向けて、調子はどうですか？
「夏の暑いのが終わって、段々、練習でも調子があがってきている感じはあるし、あとは展開ですね（笑）。チャンスがあったらものにする、その準備だけはしっかりして、悔いがないようにしたいですね」
－ファンの皆さんにピーアールをどうぞ！
「一走一走あきらめずに、泥臭く、頑張りたいと思います！ 応援よろしくお願いします!!」
1994年11月9日生まれ。身長166.1cm 体重78.6kg
趣味は？
「特にないんですよ。ボートレースをちょっと始めたくらいで」
レース場に行くんですか？
「たまに行きますね。下関よりも徳山の方が近いので徳山に行くことが多いですね」
どういう気持ちで買うんですか？
「『お金増えろー』って思いながらですかね（笑）。まぁ、暇つぶしというか、海を見るとけっこう癒されるんですよね。徳山ボート場って雰囲気がほのぼのしているので、けっこう好きですね」
