自転車競技

月刊競輪WEB世界選レポート(5日目)

第6報【2月24日】

【大会総括】
 日本競輪選手会勢が出場する男子短距離種目を中心にメダル獲得も期待されたが、男子ケイリン、男子スプリントともに1人も2回戦へ進めずに終わるなど、日本にとって少々寂しい結果に終わった。
 1月にメキシコで行われたワールドカップ(W杯)第3戦の男子ケイリンで2位に入った渡邉一成は、好調を世界選手権まで維持できなかった。本命のケイリンでは1回戦、敗者復活戦ともに競り合いに加われずに敗退。最後の種目となった男子スプリントでも予選敗退と良いところがなかった。「大会に向けて、十分に準備することができなかった」と調整不足を口にした。
 新田祐大は男子1000メートルタイムトライアルで11位、男子ケイリンは1回戦、敗者復活戦と敗退し、世界の壁にはね返された。一方で、第1走者を務めたチームスプリントでは、スタンディングスタートによる200メートルの自己ベストを更新するなど、手応えもつかんだ大会だった。
 中川誠一郎は1月のW杯の男子スプリントで、フライイングスタート200メートルの日本記録を更新。今大会も同種目で上位進出が期待されたが、1回戦で敗退した。オーストラリア選手との対戦では、相手のすきを突いて先行する理想の展開だったが、最後に差されて敗戦。最終コーナーの出口で思い通りにスピードに乗り切れず「修正がきかなかった」と、バンクへの対応に苦慮したことを明かした。
 男子スプリントのみの出場だった河端朋之は、初の世界選手権の大舞台にも動じず、通過ラインぎりぎりの24位で予選を突破。男子1000メートルタイムトライアルを制したペルビス(フランス)との1回戦では格の違いを見せつけられたが「強い選手と走れたのは、今後の糧になる」と前を向いた。
 女子は世界との差がいまだに大きいことを痛感させられた。21人が出場した女子スプリント予選では、前田佳代乃(鹿屋体大)が19位、石井寛子(日本競輪学校)が20位に沈み、強豪と当たった1回戦でともに敗退。前田は500メートルタイムトライアルでも12人中の最下位と振るわず「世界は甘くない」と唇をかんだ。
 松本整監督は「昨年を上回る成績を残したかったが、直前に合宿を組めた前回のように十分な準備期間を取れなかった。結果的に選手が最高の力を出し切れなかった」と総括。「それぞれに課題と次のステップへ向けての目標が見つかった。今は過渡期で、万全でメダルを狙えるという状態にはない。次のリオデジャネイロ五輪へ向けて、新しい強化システムを整備していく」と話した。

男子マディソン

女子ケイリン決勝ゴール

女子ケイリンWinnerレベッカ

閉会式
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