自転車競技

第60回全日本プロ選手権自転車選手権大会トラック競技レポート
第60回全日本プロ選手権自転車選手権大会トラック競技
 5月20日、岸和田競輪場において、第60回全日本プロ選手権自転車選手権大会トラック競技が行われました。
競技種目はスプリント、ケイリン、チームスプリント、1kmタイムトライアル、インディビジュアルパーシュート(個人追抜)、チームパーシュート(団体追抜)、エリミネーションの7種目が行われました。 またエキシビションレースとして、ガールズケイリン選手によるケイリン競走「カーネーションカップ」も行われました。

スプリント

 注目の中川誠一郎(熊本)の200mタイムトライアルのタイムは10秒207で1位、昨年のディフェンディングチャンピオンの河端朋之(岡山)のタイムは10秒365と一歩出遅れたタイムでしたが2位通過。予選通過タイムは11秒093で板橋慎治(岐阜)が16位で本戦出場となりました。
上位は順調に勝ち上がり、決勝は番狂わせなく中川と河端の対戦となり、2本先取して中川が優勝を飾りました。2位は河端、3位は雨谷一樹(栃木)となりました。

スプリント決勝

スプリント決勝ゴール

ウィニングラン

スプリント表彰式

 中川誠一郎
「体調は良かったので、あとは体力が最後まで持つかどうかでした。勝ち上がれば勝ち上がるほどきついので。河端との対戦は、フレッシュな状態だったら自信はあるんですけど、これだけ走っているので、河端は体力がありそうだし、3本目までもつれると僕が不利なので、2本で決めたいと思っていました」
 河端朋之
「中川さんと力の差がまだありますね。なんとか1本目で追い込みたかったです。1本目終わってすぐ15分後に2本目だったので、その分でけっこうアドバンテージもあったかなと思います。体力勝負になったら僕にチャンスがあるかなと思ったけど、2本目で僕がちょっといっぱいでしたね。技術的にも中川さんくらい踏み直しができて、合わせられたら、やっぱり1本目は大きかったですね。途中まではいいレースができたと思います」
 雨谷一樹
「3位に入れると思わなかったけど、なんとか3位に入れてよかったです。親王牌もいけると思うので頑張ります。(3-4位決定戦)金子(貴志)さんに昨年は負けたので、今年はリベンジできてよかったです」


1kmタイムトライアル

 注目の新田祐大(福島)が出場。昨年はロンドンオリンピック直前でもあり、出場は回避していました。
その注目のタイムは1分3秒885と好タイムをたたき出し優勝を決めました。 2位は坂本貴史(青森)で1分4秒680、3位は稲毛健太(和歌山)の1分5秒359でした。密かに驚いたのが永井清史(岐阜)の1分5秒782。4位でしたが、北京オリンピック・ケイリン銅メダルの実力を見せていました。

1位 新田選手

2位 坂本選手

3位 稲毛選手

1kmTT 表彰式
 新田祐大
「最近はずっと屋内のバンクでしか(1kmタイムトライアルを)走っていないので、屋内だと風がなくてペース配分もしやすいんですけど、屋外のバンクということでスタートだけでスピードに乗せてしまうと後半が落ちてしまうので、全体的なタイムを考えていました。スタートは自分の得意でもあるし、2つ目の特徴であるスピード、持久、それらを活かして、競輪よりも踏む距離は長いのでトップスピードをなるべく落とさず長い距離踏むということを意識してゴールを目指しました」
 坂本貴史
「どこに気をつけて走るというより新田さんに勝つことを考えて走りました。力負けですね。また、頑張ります!」
 稲毛健太
「競輪の方も調子がよくなってきたので、今日はタイムが出るかと思ったんですけど、ギアがちょっと重たかったですね」


ケイリン

 この種目を勝ち上がり決勝に進出したのが村上博幸(京都)、神山拓弥(栃木)、園田匠(福岡)、南修二(大阪)、平原康多(埼玉)、藤木裕(京都)、神山雄一郎(栃木)、山口富生(岐阜)、浅井康太(三重)の9選手。特に浅井は前回のディフェンディングチャンピオンでもあり、その結果に注目が集まっていたのですが、勝ったのは園田。最終1センターで違反行為があり、そのあおりを受け隊列が乱れたままゴール前で中団から一気に突っ込んだのが園田でした。2着は大外を捲くってきた浅井、3着に藤木が入線しました。

決勝スタート

決勝残り1周

決勝ゴール

ケイリン表彰式
 園田匠
「腹をくくって、後ろでもいいやって構えていたのが逆によかったと思います。理事長杯には(中川)誠一郎さんいるし、大きいですね(笑)。これが本業の競輪につながってくれればいいですね。宮杯で岸和田を走るので、いい弾みをつけられてよかったです」
 浅井康太
「最後はゴール勝負できたし、平原(康多)さんの行けなかった上を行けたのもよかったし、手応えを感じました。2連覇を狙っていたんですけどね。あとは自分の力を一戦一戦出し切ることが競輪につながると思うので頑張ります」
 藤木裕
「並びはいつもと逆だったんですけど、あんなに行ってくれると思わなかったので、ありがたかったです。やっぱりラインは大切ですね。今日に関して言えば、優勝しなければいけませんでしたね。地元地区だし、優勝したかったけど、失敗しました。前がかかっていてしんどかったです」


チームスプリント

 タイムトライアルの形で行われたこの種目を制したのは中部地区の松岡篤哉(岐阜)、竹内雄作(岐阜)、森川大輔(岐阜)の3選手。1分14秒329で優勝を飾りました。
2位は北日本地区で伏見俊昭(福島)、佐藤慎太郎(福島)、渡邉一成(福島)の1分14秒479。北日本チームは最初に走った時に伏見にアクシデントがあり、再発走となってしまったのが痛かったですね。 3位は南関東地区で郡司浩平(神奈川)、和田真久留(神奈川)、巴直也(神奈川)。タイムは1分15秒304でした。

1位 岐阜チーム

2位 福島チーム

3位 神奈川チーム

チームスプリント表彰式
 森川大輔
「連覇できて正直嬉しいです。(他のチームの)メンバーを見ると強い人ばかりなので、勝てるかどうかわからなかったですけど、全力で走りました。競輪の方も頑張っていきたいと思います」
 松岡篤哉
「(全プロ記念競輪2日目の落車で)自分の状態だけが不安でしたけど、できることはやりました。(親王牌の特選シードは)昨年に続いて今年もなので、また頑張りたいです」
 竹内雄作
「自分は3走だったのですが前の2人が頑張ってくれました。その分、自分も頑張ろうと思っていました。垂れて終わっていたら意味ないので、力を出し切ることができてよかったです」


4km個人追抜き

 ディフェンディングチャンピオンの網谷竜次(香川)のタイムに注目が集まったが、一番始めにスタートした岡嶋登(大阪)が4分43秒641の好タイムをたたき出し、そのタイムが結局敗れず岡嶋が優勝。4分51秒746を出した網谷が2位、4分54秒637の大屋健司(広島)が3位となりました。

岡嶋選手

個人追抜表彰式

エリミネーションレース

 エリミネーションレースは1周回(400mバンクの場合)ごとに、最後尾でホーム線を通過した選手が脱落していくレースです。
ディフェンディングチャンピオンは小林潤二(群馬)。 途中はドローやトラブルがあり選手達は相当走らされていましたが、最終的に残ったのが舛井幹雄(三重)、椎木尾拓哉(和歌山)、三谷将太(奈良)、小林潤二(群馬)。結局、舛井が椎木尾とゴールスプリントになり、制した舛井が優勝。2位が椎木尾、3位は三谷となりました。

レースの模様1

レースの模様2

エリミネーションゴール

エリミネーション表彰式

4km団体追抜き

 中部地区・山口泰生(岐阜)、児玉利文(岐阜)、吉田茂生(岐阜)、川西貴之(岐阜)が4分26秒149で優勝。2位は近畿地区・村田雅一(兵庫)、角令央奈(兵庫)、井上将志(兵庫)、渡辺十夢(福井)の4分31秒316。3位は関東地区で田村真広(群馬)、手島志誠(群馬)、手島達矢(群馬)、石川雅望(群馬)で4分31秒876でした。

1位 岐阜チーム

団体追抜表彰式
 以上が第60回全日本プロ選手権自転車競技大会トラック競技の結果ですが、エキシビションレースとして行われた女子ケイリン「カーネーションカップ」。出場選手は1期生7名、2期生7名です。
この競技は通常行われているガールズケイリンとは異なり、5周回で争われました。勝ち上がりはガールズケイリンと同じくポイント制を採用。決勝に勝ち上がったのは、梶田舞(栃木)、奈良岡彩子(青森)、門脇真由美(大阪)、戸田みよ子(広島)、増茂るるこ(東京)、明珍裕子(福島)、石井寛子(東京)の7選手。 結果は、石井と梶田が先行争いでもがき合い、石井が最終バックで力つきると梶田がそのまま先頭でいったが、後方から一気に門脇が追い込んで1着。地元優勝を飾りました。2位は梶田、3位に奈良岡となりました。

決勝発走前

決勝残り1周

決勝ゴール

カーネーションカップ表彰式
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