自転車競技

第61回全日本プロ選手権自転車選手権大会トラック競技レポート
 5月19日、取手競輪場において、第61回全日本プロ選手権自転車選手権大会トラック競技が行われました。競技種目はケイリン、スプリント、1kmタイムトライアル、チームスプリント、4km個人パーシュート、4kmチームパーシュート、エリミネーションの7種目が行われました。 またエキシビションレースとして、ガールズケイリン選手によるケイリン競走「アザレアカップ」も行われました。

ケイリン

 決勝戦には、稲川翔(大阪)、桐山敬太郎(神奈川)、浅井康太(三重)、松岡健介(兵庫)、小野俊之(大分)、南修二(大阪)、三谷政史(滋賀)、神山拓弥(栃木)、友定祐己(岡山)の9名が進出した。前日の平成26年度全プロ記念競輪を優勝した浅井に期待がかかっていたが、4選手そろった近畿の結束力が勝った。
 レースは、桐山、小野、浅井、友定、松岡、稲川、南、三谷、神山の並びから始まった。打鐘前から一気に松岡が先行。最終バック前で番手から稲川が発進。三谷が離れ、車間が空いてしまった。その後ろから浅井も捲っていく。しかし、ゴール前に南が交わして優勝を飾った。2位は捲り追い込んだ浅井。3位は稲川。
優勝:南修二
「前々にという気持ちで走りました。近畿から4人乗ったので、その中から誰かが獲るという気持ちでいました。近畿を松岡健介さんが上手くまとめてくれました。(ゴールで)勝ったかなとは思ったけど、浅井も勢い良かったし、スローVTRを見るまで分からなかったですね」
2位:浅井康太
「バックで前と車間が空き過ぎてしまって、追うのがちょっときつかったですね。次に繋がるレースをしようと思っていました」
3位:稲川翔
「先輩方が近畿をまとめてくれて、自分もいい緊張感で走れました。信頼できる先輩と走れたし、いい経験ができました。南さんが優勝してくれてよかったです」

ゴール

表彰式

スプリント

 予選の200mFTTでは、1番時計(10秒339)は河端朋之(岡山)、2番が中川誠一郎(熊本)で10秒494、3番が雨谷一樹(栃木)で10秒693を出した。
 しかし、優勝候補の河端が金子貴志(愛知)に、また、雨谷が荒井崇博(佐賀)に4分の1決勝で敗れるなど、波乱がおこった。結果、2分の1決勝は金子VS根田空史(千葉)、中川VS荒井になった。これを金子と中川が2本奪取し、決勝戦は金子VS中川の戦いになった。
 3-4位決定戦は、根田が逃げて勝利。
 決勝戦は、1本目は中川が捲りで先取、2本目は逃げる金子を中川が差した。
 これで中川がスプリント2連覇を達成した。
優勝:中川誠一郎
「優勝できてよかったです。金子さんの往年のスプリント力がすごかったですね。でも、いい状態で決勝戦に臨めたので、それが大きかったですね。しっかり勝つところは勝たないといけないので、よかったです」
2位:金子貴志
「やはり誠一郎が強かったですね。4分の1決勝で(河端に)まさか勝てると思っていなくて。河端も油断があったと思います。ちょうどいいタイミングで内が空いたので、おかげで今回の全プロは楽しめて、よかったです」
3位:根田空史
「3位になれると思ってなかったんで、よかったです。(寛仁親王牌で)特選スタートは大きいので頑張りたいと思います」

ゴール

表彰式

1kmタイムトライアル

 注目は、坂本貴史(青森)、稲毛健太(和歌山)らナショナルチームに集まり、ラストがこの2人だったが、2人の時にちょうど風が吹いてしまったのが残念だった。
 優勝は1分5秒052を出した竹内雄作(岐阜)、2位は永井清史(岐阜)1分5秒311、3位は稲毛で1分5秒687。
優勝:竹内雄作
「自分の中では、1kmTTよりもチームスプリントがメインだったので、申し訳ないですね…。"たられば"を言ってもしょうがないけど、1kmTTに出なければ優勝できていたかもしれないし、力をつければよかっただけかもしれないですけど。(理事長杯スタート)上のレースで走れることは光栄なことなので、これから宮記念杯、寬仁親王牌と続くので、活躍できるように頑張りたいと思います。毎年、寬仁親王牌は中途半端な結果に終わっているような気がするので、ダービーの準決勝進出がまぐれと言われないように頑張ります」と、1kmTTを優勝したが、その後に出場したチームスプリント2位の結果に肩を落としていた。

レース

表彰式

チームスプリント

 1番手に登場した中部・岐阜チーム(森川大輔・松岡篤哉・竹内雄作)が1分15秒878を出し、15秒台を出すチームがなかなか出ず、今年も中部・岐阜チームの優勝かと思われた。しかし、最後に登場した四国チームが1分15秒675を出して、優勝を決めた。本来は池田憲昭、福島武士、戸田康平の香川の3人で走る予定だったが、福島がケガのため橋本強(愛媛)に急遽変わった。一発本番で臨み、見事、結果を残した。
第1走者:橋本強
「後ろの2人が強かったおかげです。自分が足を引っ張らなくてよかったです。それだけがプレッシャーでした。16日に急遽聞いて、走ることになりました」
第2走者:池田憲昭
「まさか優勝できるとは思ってなかったので、びっくりしています」
第3走者:戸田康平
「寬仁親王牌に出場できたらいいなと思っていたんですけど、まさか優勝できるとは思っていませんでした」

レース

表彰式

4km個人パーシュート

 優勝候補は、昨年優勝の岡嶋登(大阪)。岡島は4分52秒325を出した。しかし、九州地区プロで好結果を出していた北津留翼(福岡)が機械トラブルで再発走のため最後に登場。その様子を岡島が見つめていた。結果、北津留が4分54秒644で、岡嶋の優勝が決まった。
優勝:岡嶋登
「前半飛ばし過ぎて、3周からタレて、めっちゃ焦りました。タイムを聞いた時、まだ北津留翼君が走ってなかったので、北津留君は地区プロでいいタイムを出していたし、怖かったですね。競走がつまっていて、あまり練習できなかったんですけど、大師匠の丸山繁一さんに直前にバイクで引いてもらって、それが自信になりました。50秒は切れると思っていたんですけど、ちょっとタイムがよくなかったですね」

レース

表彰式

4kmチームパーシュート

 渡辺航平(福井)、伊原克彦(福井)、脇本雄太(福井)、角令央奈(兵庫)の近畿チームが4分24秒333で大会新記録を出して優勝を飾った。
渡辺航平
「しんどかったです。皆が強くて、いい練習になりました(笑)。僕はくらいついていっただけで、根性でしたね。これで4人とも寬仁親王牌が決定したし、これを機に頑張りたいと思います」
伊原克彦
「優勝できてよかったです、皆のおかげです! これで寬仁親王牌に出場できると思うので、それまでにもっと頑張りたいと思います」
脇本雄太
「この4人だったら勝って当然かなというくらいの気持ちで走っていたので、優勝できてよかったです。アジア選ではケイリンと1kmTTを走るので、DHハンドルにも慣れなきゃいけないなと思って、それのためにも含めて、団抜きを走ろうと思っていました」
角令央奈
「強いチームに入れてもらえてよかったです。(個抜も団抜も)どっちもいけるように練習はしていたので、大丈夫でした。脇本が強過ぎましたね。僕はもうついていっただけです。優勝できて嬉しいです。競輪も頑張ります」

レース

表彰式

エリミネーションレース

 2011年から全プロ種目になったエリミネーションレースは、1周回ごとに、最後尾でホーム線を通過した選手が脱落していくレース。ディフェンディングチャンピオンの桝井幹雄(三重)が残り5人目で脱落。続いて山城光央(静岡)、萩原操(三重)が脱落。最後は、竹山陵太(宮城)、椎木尾拓哉(和歌山)の対戦になった。最後のスプリント戦を制し、竹山に栄冠が輝いた。
優勝:竹山陵太
「優勝できてよかったです。ゴールするまで勝敗はわからなくて、4コーナーを周った感じでは抜けないかなと思ったんですけど、ゴール前、椎木尾が強くて、きつかったです。(7月からS級なので)2回目の寬仁親王牌の出場権を目指して頑張っていたので、優勝できてよかったです」

レース

レース

表彰式

ガールズケイリンエキシビジョン・アザレカップ

 エキシビションレースとして行われた女子ケイリン「アザレアカップ」。出場選手は1期生5名、2期生6名、3期生3名が参加した。
 1着1着で勝ち上がってきた石井寛子(東京)、奥井迪(東京)の2人を中心に、三輪梓乃(広島)、森美紀(福岡)、矢野光世(福岡)、杉沢毛伊子(静岡)(三宅愛梨(岡山)は欠場になった)が決勝戦にそろった。
 レースを振り返ると、石井が前を取り、三輪、矢野、奥井、森、杉沢の並びから周回。矢野が先行し、番手に石井、奥井が並走になる。最終バック前から石井が捲っていく。結果、石井が優勝。2着は石井マークの三輪。3着に森が入線。
優勝:石井寛子
「最近ちょっと優勝から遠ざかっているので優勝したい気持ちと、昨年の全プロのカーネーションカップでは負けているので、今年はなんとしても勝ちたかったです。奥井さんは予選から強いなって印象を持っていました。でも、奥井さんもですけど、誰にも負けたくなかったです」

レース

ゴール

表彰式
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