2014 JAPAN TRACK CUP Version2
今年1月に開催された国際トラック競技大会「ジャパン・トラック・カップ」の "バージョン2"として、7月11日に「ジャパン・トラック・カップI」、7月12日~13日に「ジャパン・トラック・カップII」の2大会が伊豆ベロドロームで開催された。(以下、大会名はJTC I、JTC IIと表記)
前回同様、UCIクラス1のカテゴリーで行われ、今回は韓国、ホンコンチャイナ、チャイニーズタイペイなどのアジア勢に加え、オーストラリア、リトアニア、アメリカなど欧米諸国も参加。また、フランソワ・ペルビスをはじめとした短期登録選手たちも出場し、海外勢は強力な顔ぶれとなった。なかでも注目は2010年の女子ケイリン世界チャンピオン、シモナ・クルペクカイテ(リトアニア)。ロンドンオリンピック以降、出産のため休養に入っており、現在は本格復帰して間もない状況ながら、どんなレースを見せるのか楽しみだ。
日本も渡邉一成や中川誠一郎、新田祐大などナショナルチームメンバーが参戦し迎え撃つ。自国開催であることはもちろん、ワールドカップの出場権を得るためのポイント獲得にも重要なだけに、負けられない大会だ。日本勢の活躍に期待がかかる。
JAPAN TRACK CUP I
■男子エリートケイリン
決勝は渡邉一成、新田祐大、カン・ジョンヨン(韓国)、中川誠一郎、シュテファン・ボティシャー、ジェーコブ・シュミッド(オーストラリア)の6名で争われた。周回はシュミット、渡邉、ボティシャー、新田、中川、カンの並び。残り1周半のバックから渡邉が踏み出し、ホームで先頭に立つと、そのまま逃げ切って優勝。2着には後方から一気に追い上げ、ゴールは渡邉と僅差の勝負となった新田。3着には渡邉を追走したボティシャーが入った。
1位 渡邉一成(JPCU福島)
2位 新田祐大(JPCU福島)
3位 シュテファン・ボティシャー(ドイツ)
渡邉一成選手コメント
「自分のタイミングさえ掴めてしっかり走れれば、結果は残ると思っていましたし、後手を踏まなかったというのが一番だと思います。(番手に入った)ボティシャー選手には道中から注意して走っていました。最後は新田くんがすごくいいスピードだったので差されたかなと思いましたけど、なんとか優勝できたので、自分の力を信じて走れたのが良かったんだと思います。これからワールドカップ、世界選手権、オリンピックと戦って行く上で、どんどん強い選手が出てくるので、その中でどんなメンバーでも自分のパフォーマンスをして勝つというのが目標だったので、今日は良いレースができたと思います」
■女子エリートケイリン
決勝はシモナ・クルペクカイテ、イ・ヘジン(韓国)、小林優香、石井貴子、加瀬加奈子、ケイトリン・ワードの6名。周回は石井、ケイトリン、イ、加瀬、クルペクカイテ、小林の並び。ペーサー退避から石井が先行体勢。残り1周のホームでクルペクカイテがスパートし、最終バックで先頭の石井ともがき合いになるも、出切ったクルペクカイテがそのまま押し切り優勝。2着にはクルペクカイテを追走したケイトリン、3着には逃げ粘った石井が残った。
1位 シモナ・クルペクカイテ(リトアニア)
2位 ケイトリン・ワード(オーストラリア)
3位 石井貴子(JPCU千葉)
シモナ・クルペクカイテ選手コメント
「時差のせいで、眠くて疲れもありますが、いい結果が残せて本当に嬉しいです。(休養明けで)1ヶ月前にモスクワの国際大会を走りました。このあともたくさんの大会が控えていますが、日本はぜひ訪れてみたい国でしたし、3日間レースができるということも大きかったので今大会の参加を決めました。今日は本当にいいレースができたと思いますし、明日からも楽しみです」
石井貴子選手コメント
「後ろから前に上がる手間を考えたら、最初からスタートを取って突っ張り切ろうと考えていました。展開的にはその通りになって、結局カマされてしまいましたけど、なんとか粘れたほうかなと思います。表彰台に乗れればいいなと思っていたので、良かったです」
■男子ジュニアケイリン
決勝は野上竜太、コン・シンファン(チャイニーズタイペイ)、チョイ・ヒュウファン(ホンコンチャイナ)、釘尾真幸、ユッタナー・マノ(タイ)、池西拓海の6名。レースは前を取った野上が先行、2周半を逃げ切っての優勝を飾った。
1位 野上竜太(日本)
2位 コン・シンファン(チャイニーズタイペイ)
3位 チョイ・ヒュウファン(ホンコンチャイナ)
野上竜太選手コメント
「国際大会は勝ったことがなかったですし、あとは今年から大学生になってレベルが上がったことで最近勝てていなかったので、久々の優勝は素直に嬉しいです。逃げ切りというのは自分のスタイルだと思っているので、高校から貫き通しているこのスタイルを曲げずに、今回のレースも行こうと思っていました。(今後の目標は)2020年の東京オリンピックはもちろん狙って行きたいです」
ゴール
表彰式
■女子ジュニアケイリン
決勝は鈴木奈央、チャン・ヤオ(チャイニーズタイペイ)、ワン・チュウ・チュン(チャイニーズタイペイ)、大久保花梨、高橋智香、平井杏奈の6名。レースはペーサーの後ろを取った鈴木が、そのまま突っ張って逃げ切りで優勝。
1位 鈴木奈央(星陵高校)
2位 チャン・ヤオ(チャイニーズタイペイ)
3位 ワン・チュウ・チュン(チャイニーズタイペイ)
鈴木奈央選手コメント
「先行してそのまま逃げ切れたことがすごく嬉しいです。ラスト1周までは後ろの選手に合わせながら行って、最後は自分のパワーを出し切れました。前回のJTCでは4つのレースで優勝しているので、今回も全部優勝することを最低限の目標に、自分のレースができるようにしたいです。今後はオムニアムの選手になりたいので、いろいろな種目に挑戦してたくさんの走り方を学びたいと思います」
ゴール
表彰式
■男子エリートスプリント
予選1位は10秒000を出したさすがの世界チャンピオン、フランソワ・ペルビス。日本勢の最高位となる6位スタートとなった河端朋之は、順調に勝ち上がり、決勝まで駒を進める。1/2決勝でペルビスを破って勢いに乗るイム・チェビンと河端の決勝は、ストレートでイムが河端を下し、優勝を飾った。
1位 イム・チェビン(韓国)
2位 河端朋之(JPCU岡山)
3位 フランソワ・ペルビス(フランス)
イム・チェビン選手コメント
「ハードスケジュールの中ではありますが、楽しみにしていたレースなので、気持ちよく優勝できたことが嬉しいです。あとは世界チャンピオンと一緒にレースができたことも、すごく嬉しかったです。明日のケイリンも今日のように一生懸命頑張りたいと思います」
■女子エリートスプリント
予選1位はイ・ヘジンで11秒219の好タイムが飛び出す。2位にケイトリン、注目のクルペクカイテは11秒481で3位。日本勢トップは石井貴子の11秒647で5位。予選1位、2位のイとケイトリンの顔合わせになった決勝は、ケイトリンがストレートで勝利。3-4位決定戦はクルペクカイテと石井貴子の対戦となり、ここは石井がクルペクカイテを下す金星で、3位を手にした。
1位 ケイトリン・ワード(オーストラリア)
2位 イ・ヘジン(韓国)
3位 石井貴子(JPCU千葉)
ケイトリン・ワード選手コメント
「初めての国際大会で優勝することができて、最高の気分です。緊張はしましたが、それ以上にレースを楽しむことができました。対戦したことのない選手ばかりの中で、自分を高めるレースができたと思います。(勝因は)前へ前へという意識を強く持てたこと。また、チームとしていいムードで今回の大会に臨めたので、それも大きかったと思います」
石井貴子選手コメント
「ちょっとハロンが停滞気味というか、毎回11秒6台なので、また練習しなくちゃいけないなという感じです。対戦に関してはアジア選手権の時よりは落ち着いてできるようになったかなと思います」
■男子エリートポイントレース
30km、120周で争われたレースは、ただ一人3ラップに成功したボビー・リーが優勝。この種目で実績を持つ橋本英也も2ラップしたものの、得点は届かず2位となった。
1位 ボビー・リー(アメリカ) 70P
2位 橋本英也(鹿屋体育大学) 57P
3位 シン・ドンヒョン(韓国) 45P
ボビー・リー選手コメント
「初めての日本での大会で優勝することができて本当に嬉しいです。前半で体力を消耗せずに、セーブしながらレースを進められたことが良かったと思います。的確なタイミングで勝負を仕掛けることができて、後半残した体力を使ってレースを勝つことができました」
優勝したボビー・リー
表彰式
■女子エリートポイントレース
20km、80周で争われたレースは、イザベラ・キングが8回のポイント周回のうち、4回で1着を取り、得点を伸ばして優勝。2位の塚越さくらは全てのポイント周回で得点を重ねるも、キングには及ばず。
1位 イザベラ・キング(オーストラリア) 25P
2位 塚越さくら(鹿屋体育大学大学院) 18P
3位 パン・ヤオ(ホンコンチャイナ) 17P
イザベラ・キング選手コメント
「厳しいレースの中、結果を残せてすごく嬉しいです。(勝因は)初めから飛ばし過ぎずに自分のペースを保ちながら、途中ちょっとパニックになりそうなときもあったんですけど、そこをしっかり集中して、最後まで落ち着いて安定した走りができたことだと思います」
優勝したイザベラ・キング
表彰式
■女子ジュニアポイントレース
10km、40周で争われたレースは、4回のポイント周回のうち、後半2回で1着を取った梶原悠未が一気に得点を伸ばし、優勝。
1位 梶原悠未(筑波大学坂戸高校) 12p
2位 鈴木奈央(星陵高校) 9p
3位 リー・チャー・ユン(チャイニーズタイペイ) 8p
梶原悠未選手コメント
「(何度も逃げを仕掛けたが)ラップできなかったのがちょっと悔しいです。最終日のスクラッチでも積極的にレースを動かして、できたらラップして優勝したいです」
優勝した梶原悠未
表彰式
■男子ジュニアスクラッチ
10km、40周のレースは、日本勢を中心に序盤から積極的な飛び出しが続く展開に。最終的に集団スプリントとなったゴールを制したのは、チェン・チンチョウ。日本の松本、阿部は2着、3着に食い込んだ。
1位 チェン・チンチョウ(チャイニーズタイペイ)
2位 松本憲斗(ルーテル学院高校)
3位 阿部将大(日出暘谷高校)
チェン・チンチョウ選手コメント
「伊豆ベロドロームという素晴らしい環境の中、すごく強い選手たちと一緒にレースができ、そのレースで勝てたことを嬉しく思います」
ゴール
表彰式
JAPAN TRACK CUP II
■男子エリートケイリン
決勝はボティシャー、新田祐大、キム・ミンス(韓国)、坂本貴史、早坂秀悟、シュミッドの6名。ペーサー退避から先手を取ったのは坂本、周回4番手から上昇し、先頭に上がる。残り2周のホームから早坂が一気にカマして坂本を叩き、そのまま先行体勢に。早坂、坂本、ボティシャー、新田、キム、シュミッドの順で残り1周へ。最終バックで坂本、ボティシャーが早坂を交わしにかかると、新田も4コーナーで切り込むが、この動きで早坂とキムが落車し、新田は1着でゴール入線するも失格。優勝はボティシャー、坂本は僅差で2位となった。
1位 シュテファン・ボティシャー(ドイツ)
2位 坂本貴史(JPCU青森)
3位 ジェーコブ・シュミッド(オーストラリア)
シュテファン・ボティシャー選手コメント
「昨日はちょっと結果を出せませんでしたが、今日は無事優勝できて良かったと思います。ワールドカップに出るためのポイントを取るという意味では本当に重要な大会なので、できるだけこの大会で結果を残してポイントを重ねたいのと、あとは日本の強い選手たちと一緒にレースができることも良い経験になっていると思います」
ゴール
表彰式
■女子エリートケイリン
決勝は前田佳代乃、イ・ヘジン、中川諒子、ケイトリン、クルペクカイテ、小林優香の6名。ペーサー退避のタイミングで周回2番手の前田、3番手の小林がともに動き、先頭をうかがう。前田と小林が先頭で併走する形で残り2周のホームに向かうと、ここからクルペクカイテが一気に踏み上げ、バック過ぎで先頭に上がる。クルペクカイテの番手に小林が入り、その後ろで前田とイが併走、続いてケイトリン、中川で残り1周へ。クルペクカイテがそのまま先行で逃げ切り、1着。僅差のゴールで2着、3着争いとなった小林と前田は、前田がブルーバンド走行で降格となり、小林が2着確定となった。
1位 シモナ・クルペクカイテ(リトアニア)
2位 小林優香(JPCU福岡)
3位 イ・ヘジン(韓国)
シモナ・クルペクカイテ選手コメント
「脚には自信がありますが、何度も仕掛けられるような簡単な相手ではないというのは分かっていたので、うまく力を出しながら、勝負の掛けどころを見極めて行けたというのが勝因だと思っています。(JTC I、JTCIIともに優勝という結果は)一つ一つのレースで勝利を積み重ねられたので良かったと思います」
小林優香選手コメント
「2位という結果は嬉しいんですけど、でも悔しくもあります。(クルペクカイテ選手は)強い選手だということは聞いていたので、思い切り挑むだけだと思っていました。彼女の番手に入って、最後追い込めたというのは自信にも繋がりましたし、今後の課題にもなりました」
■男子ジュニアケイリン
決勝は優勝候補の野上竜太が出走を取りやめ、リョン・カーユー、コン・シンファン、マックシミリアン・ギル・マイケルモア(ホンコンチャイナ)、釘尾真幸、布居翼の5名で争われた。先手を取ったのは日本勢。ペーサー退避から釘尾、布居が動いて先頭に上がるが、残り2周のホーム過ぎからコンがスパート、一気に先頭に上がるとそのまま先行で押し切り、優勝。
1位 コン・シンファン(チャイニーズタイペイ)
2位 リョン・カーユー(ホンコンチャイナ)
3位 釘尾真幸(南大隅高校)
コン・シンファ選手コメント
「勝利することができて、とても嬉しく思っています」
ゴール
表彰式
■女子ジュニアケイリン
決勝は鈴木奈央、大久保花梨、平井杏奈、高橋智香、チャン・ヤオ、ワン・チュウ・チュンの6名。ペーサー退避から鈴木が先行すると、番手を大久保とチャンが併走。残り1周のホームで鈴木の番手を取り切った大久保が、ゴールで鈴木を差して1着。2着に鈴木、3着に平井が入り、日本勢で表彰台独占となった。
1位 大久保花梨(祐誠高校)
2位 鈴木奈央(星陵高校)
3位 平井杏奈(祐誠高校)
大久保花梨選手コメント
「今まで頑張ってきたので優勝できて嬉しいです。ゴール前で差せたので、ダッシュ力が一番良かったと思います。(鈴木奈央選手の存在は)憧れであり、いいライバルであり、目指して行きたい存在なので、これからも頑張りたいと思います。(このあとの目標は)ジュニア世界選手権で優勝することです」
ゴール
表彰式
■男子エリートスプリント
予選で中川誠一郎が9秒958と伊豆ベロドロームで初となる9秒台をマークし、トップに立つ。決勝は、ここまで1本も落とさず勝ち上がってきた中川とボティシャーの対戦に。世界選手権やワールドカップで優勝し、この種目で世界トップクラスの実績を持つボティシャーを相手に、1本目は先行、2本目は追い込みで勝利、中川が見事に優勝を果たした。
1位 中川誠一郎(JPCU熊本)
2位 シュテファン・ボティシャー(ドイツ)
3位 ジェーコブ・シュミッド(オーストラリア)
中川誠一郎選手コメント
「(ボティシャー選手は)今はまだオフシーズンというか、本番のシーズンではないというのもありますけど、勝ったということはいい経験になりますね。予選は、平地ではまだ9秒台を出したことがなかったので、それを目標にしていたんですけど、まずは達成できて良かったです。調子のいい要因は、一番はしっかりトレーニングができているということなんですけど、今は国内の競輪でも成績が良いので、気持ち的にも余裕がありました。自国開催ということで、しっかり責任が果たせて良かったなと思います」
■女子エリートスプリント
予選1位はケイトリンの11秒355、それに続く2位のタイムは前田佳代乃の11秒494、クルペクカイテは11秒567で3位。決勝に勝ち上がったのはケイトリンと前田。1/2決勝でクルペクカイテを下した前田は、その勢いでケイトリンに挑むも、勝利はならず。優勝はJTC Iに続き、ケイトリンが手にした。3-4位決定戦はクルペクカイテが加瀬を下した。
1位 ケイトリン・ワード(オーストラリア)
2位 前田佳代乃(日本)
3位 シモナ・クルペクカイテ(リトアニア)
ケイトリン・ワード選手コメント
「肉体的にも精神的にも自分を追い込んで、最後まで結果を残すことに専念することができました。こういう形で大会を終えることができて本当に良かったです。今回はコーチの指導のもと、ナショナルチームのみんなで新しい戦術を取り入れながらチャレンジして行ったので、本当に良い経験ができた大会になりました」
前田佳代乃選手コメント
「嬉しい気持ち半分、悔しい気持ち半分ですね。どうせなら表彰台の真ん中に立ちたかったんですけど(苦笑)。前回1月のJTCの頃より、精神的にも生活の面でも充実してきているので、そういうところが今回は結果として出たのかなと思います。産休明けで本調子でないことはもちろん分かっているんですけど、クルペクカイテ選手はずっと憧れていた選手の一人なので、世界のトップ選手と対戦して勝てたというのは自分にとってすごく大きなことです。これからオリンピックに向けてのポイント取りも始まるので、日本チーム一丸となって頑張って行けたらいいなと思います」
■男子エリートオムニアム
新ルールとなったオムニアムは、スクラッチ、個人追抜、エリミネイション、1kmタイムトライアル、フライングラップ、ポイントレースの順番で行われ、最後のポイントレースは獲得した得点数そのものが総合ポイントに加算されるシステムとなった。レースは、個人追抜、エリミネイションで1位のボビー・リーが全種目を上位でまとめ、2位に39Pの差をつけて優勝。日本勢は窪木一茂の4位が最上位となった。
1位 ボビー・リー(アメリカ) 228P
2位 ティリアン・マクマヌス(オーストラリア) 189P
3位 イム・ジェエン(韓国) 184P
ボビー・リー選手コメント
「すごく疲れましたが、本当にいい気分です。今回新しいルールになったオムニアムで初めてのレースだったので、自分の中で試しながらのレースになりました。もちろん鍵になるのは一番最後になったポイントレースなので、最初からリードを貫くことが大切だと思って、最初から飛ばしてレースを進めて行きました。他の選手の動きを見ながら、自分のポジションをキープして行くという戦いになりましたが、結果として自分の思った形で終われて本当に良かったです」
優勝したボビー・リー
表彰式
■女子エリートオムニアム
イザベラ・キングがスクラッチ、個人追抜、エリミネイションと前半3種目で1位。短距離種目に強い塚越さくらが後半の500mタイムトライアル、フライングラップで1位を取り、総合2位に浮上するも、最後のポイントレースでの逆転はならず、キングが抜群の安定感で優勝を飾った。
1位 イザベラ・キング(オーストラリア) 217P
2位 塚越さくら(鹿屋体育大学大学院) 191P
3位 パン・ヤオ(ホンコンチャイナ) 188P
イザベラ・キング選手コメント
「本当に嬉しいです。実は先週、練習中に怪我をしたこともあって、この大会に参加できること自体が驚きだったんですが、こうやって結果を残せて良かったです。今回の勝利は一緒に頑張ってきたコーチのお陰だと思っています。新しい戦術や技術を持って、この大会に臨めたことが大きかったと思います」
塚越さくら選手コメント
「最後のポイントレースは一番苦手な種目なので、どうなるか心配でした。(短距離種目は)感覚的に踏めているなというのはすごく感じていて、自分でもこんなにタイムが出るとは思わなかったんですけど、まだ持久力のほうの伸びがあまりよくないので、これからはそちらのほうをメインに伸ばして行ければと思っています。ルールが変わって最後のポイントレースがすごく重要視されるような形になってしまったので、それにしっかり対応できるように今後はレース系の種目を中心に強化して行きたいです」
優勝したイザベラ・キング
表彰式
■男子ジュニアポイントレース
15km、60周のレースは4選手がラップアップ。最後のゴールポイントを残してチェンと松本憲斗が同点に。先着したほうが優勝となるゴール勝負は、チェンが1着、松本が2着となり、チェンに軍配が上がった。
1位 チェン・チンチョウ(チャイニーズタイペイ) 37P
2位 松本憲斗(ルーテル学院高校) 35P
3位 武智気吹(松山中央高校) 26p
ゴール
表彰式
■女子ジュニアスクラッチ
7.5km、30周で争われたレースは、集団のまま残り1周で鈴木奈央がスパート。そのまま後続を振り切り優勝。
1位 鈴木奈央(星陵高校)
2位 リー・チャー・ユン(チャイニーズタイペイ)
3位 梶原悠未(筑波大学坂戸高校)
鈴木奈央選手コメント
「自分はスプリント系が得意なので、逃げをなんとか潰して、勝負を最後に持って行けるようにしました。ゴールはちょっとギリギリだったんですけど、勝てて嬉しかったです。(JTC IIの)ケイリンでも勝ちたかったんですけど、自分の力不足と作戦のミスかなと思って、その悔しさをバネにスクラッチでは優勝できたと思います」
残り1周のホーム
表彰式
◎ 大会を終えた出場選手たちのコメント
渡邉一成選手
「(ケイリンで決勝進出を逃した)JTC IIのほうはちょっと失敗した面もあるんですけど、全体的には調子良く、積み重ねてきたことがしっかり発揮できたレースになったと思います。また課題も見えたので、そこをしっかり強化して行きたいです」
新田祐大選手
「力を出せば良いレースができるというのは感じました。ただ、今回はそれが結果に繋がらないこともあって。(ケイリン2位の)JTC Iはまだ良かったんですけど、JTC IIのほうは自分の中では不甲斐ないレースだったなと。ケイリンでは優勝を意識しすぎたのが仇となって、結果的には落車を起こしてしまいましたし。もう少し力勝負ができるようなレースを組み立てられれば良かったんですけど、ちょっと焦りが出ちゃいましたね。次はどの大会を走るかまだ分かりませんけど、パフォーマンスを上げられるようにしっかりとコンディション作りをして行きたいと思います」
中川誠一郎選手
「最終日のスプリントはプログラム的に厳しいスケジュールだったので、半分以上は僕の体力との戦いという感じでしたね(笑)。(ワールドカップ出場に向けては)僕はもうスプリントではある程度ポイントを持っているので、そこはあまり気にしていませんでした。とにかく地元開催ですし、なんとか精一杯アピールできればと思っていたんですけど、それが最高の結果に繋がったかなと思います」
河端朋之選手
「JTC Iのスプリントではなんとか2位にはなれましたけど、それだけだったかなと(苦笑)。決勝の前くらいで相当いっぱいになっていたんですけど、相手も強かったですね。初日で結構使い切った感があって、それを引きずったまま2日目以降も来ちゃったかなという感じです。今回の結果で次に出られる大会が決まるかもしれないですけど、どちらにしてもここで培ったものを次に生かせればと思っています」
稲毛健太選手
「今回は怪我をしている中での出場だったので、思うような成績は残せなかったんですけど、久しぶりの国際大会で、250バンクも走れて、ちょっとは感触を掴んだかなという感じです。また次に繋がったらいいかなと。怪我のほうはまだ完全ではないですけど、徐々に治ってきているんで、とにかくまずは怪我を治してからですね」
早坂秀悟選手
「ちょっと体調が悪い中での出場だったんですけど、最後のほうは良くなってきたので良かったかなと思います。2日目のケイリンは勝ち上がりはあまりいいレースではなかったんですけど、決勝は一番手応えがありました。結果的に落車になってしまったんですけど、途中までの過程はすごく良かったので。競技のほうでは捲りに構えることが多かったんですけど、日本の競輪では先行でレースをしているので、いろいろアドバイスももらって、競技でも積極的なレースするように心掛けています」
菅田和宏選手
「海外選手の強さが身に染みた感じでしたね。基本的なスピードが違うなと。国際大会は前回のJTC以来だったので、本当に久しぶりだったんですけど、やっぱり楽しいですね。新しい刺激も入りますし。次の大会の予定は今のところないので、ワールドカップのことを考えると今回の大会がすごく大事だったんですけど、できればケイリンでは決勝に乗りたかったというのが正直なところです。ただ、自分なりにはそれなりに頑張れたかなとは思っています」
坂本貴史選手
「初日は久しぶりの競技だったので、まずは流れを掴んで、出し切って終われれば良いかなくらいの感じだったんですけど、1回戦も結構踏み出しが良かったですし、準決勝もいい感じで逃げられたので、身体がちょっとでも流れを思い出してくれれば2日目は面白いかなと思っていて。(JTC IIのケイリン2位は)まあ、ボティシャーには勝てませんけど(笑)、レースを作れたことは良かったと思っています」
和田真久留選手
「今回は不本意な結果になってしまって。スプリントは1/8決勝で負けて、ケイリンも準決勝には行って、力を出し切った走りはできたんですけど、決勝には乗れなかったので、結果がついてこなかったという感じですね。今回は競輪の日程の兼ね合いもあって競技の練習ができなかったんですけど、これからもそういうことはあると思うので、いろいろ考えて克服していかないとダメですね」
雨谷一樹選手
「久しぶりの国際大会だったので、ちょっと感覚を忘れてしまっている部分もあるんですけど、少しずつ先輩方に追いつけるように頑張ります。(今の目標は)ワールドカップにも行けるようにポイントを獲得して、一つ一つの大会を全力で挑みたいと思います」
加瀬加奈子選手
「ケイリンは初日のほうは決勝まで上がったんですけど、決勝ではちょっと不甲斐ないレースになってしまって。出切っていたら展開も違ったかなと思うんですけど、やっぱりそこのダッシュがないなと。2日目はきっちり脚をためて差しに行くようなレースになったんですけど、あれは行こうと思ったけど前も掛かっていたんで、ちょっと待って捲ったら届いたみたいな感じですね。3日目のスプリントは、ハロンで敗退になるかなと思っていたんですけど、予想外に勝ち進めて。ただ、スプリントに関しては、私はまだ世界で戦うレベルではないと思っているので、いい練習ができたかなと思っています」
中川諒子選手
「今回は結果的には良くなかったんですけど、だんだん(レースの)見方とかも分かってきたので、そういう意味では勉強になりました。やっぱり日本で勝たないと世界とは戦えないので、まずはそこから頑張って行きたいです」
石井寛子選手
「今回成績は悪かったんですけど、自分の中で良いところは見つけられたので。ハロンで久しぶりに11秒6が出ましたし、やってきたことは無駄じゃなかったんだなと思えたので、これからも頑張ります」
石井貴子選手
「3日目のスプリントはちょっと疲労がある中で、予選でタイムが出せなくて、苦しいスタートになってしまったんですけど。(1/4決勝の)クルペクカイテ選手には前回勝っているし、なんとか攻めていこうと思って、2本目は取ったんですけど、3本目が僅差で取れず、すごく悔しかったです。初日のスプリントとケイリンについてはすごく集中できて、積極的に走ってどちらも3着に食い込むことができたので、成果はあったかなと思います。(今大会を通じて)練習面から見直さないといけない点がかなり見つかったので、自分としては収穫がたくさんありました」
小林優香選手
「やっぱり自分の課題であるダッシュがまだまだ足りないなというのを実感しました。ケイリンでは世界チャンピオンのクルペクカイテ選手と走ることもできて、自分的にはすごく良い経験ができました。失敗した場面と成功した場面が2つとも形として現れた大会だったと思うので、そこはしっかり次に繋げて行きたいと思います」
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