自転車競技

2014-2015 UCIトラック ワールドカップ 第1戦 グアダラハラ(メキシコ)大会
いよいよオリンピックシーズンに突入しました。
リオデジャネイロ・オリンピック出場を懸けたワールドカップシリーズ、アジア選手権、世界選手権の2年間が今回のワールドカップ・グアダラハラ(メキシコ)大会からスタートしました。
概況から説明すると、男女共に、チームスプリントの出場権を獲得するとケイリン、スプリントの出場権も付帯されるのは前回のロンドン・オリンピックと変わりません。しかし、出場の条件が厳しくなり、世界で9位以内、さらにアジアで2位以内に入らなければなりません。
後は個人種目のポイントでケイリン、スプリントの出場権を獲得することになるのですが、こちらは選手層が厚く厳しいものになりそうです。
また、スプリントの勝ち上がりが世界選手権と同様になったり、オムニアムでは種目の順番の入れ替え、ポイントの与え方を変え、より一層、観客に対するインパクトを高めるものとなりました。
様々なポイントが変更となった初めての大きな国際大会はどうだったのかレポートしていきましょう。
今回のワールドカップ・グアダラハラ大会は初っ端のワールドカップということもあり、参加選手が多く、勝ち上がりに関してはとても厳しいものとなりました。
特に男子スプリント予選では、24位までの本戦進出足切りタイムが9秒99と200mフライングダッシュのタイムは10秒を切らなければ通過できないハイレベルな戦いとなりました。
グアダラハラは標高1600mと高地にあるため、タイムが出やすいことはありますが、それだけレベルが上がっていることは間違いありません。
では初日から見ていきましょう。 初日は、男女チームスプリント、チームパーシュート予選が行われました。
日本からはチームスプリントに男子2組、女子1組が出場、またチームパーシュートには男女各1組が出場しました。
まず男子チームスプリントですが、JPC(ジャパンプロサイクリストアソシエーション)チームで、和田真久留、河端朋之、脇本雄太が出場、JAPANチームで雨谷一樹、渡邉一成、中川誠一郎が出場しました。JPCが44秒737で19位、JAPANが43秒922で11位と予選突破ならず。予選一位はドイツで42秒354というタイムでした。

JPCチーム

ジャパンチーム
特に予選を突破するタイムは4位のニュージーランドで43秒037というタイム。JAPANチームを相当強化しないとこれを越えられないだろうと推測されます。
女子チームスプリントには、前田加代乃、石井貴子が出場。タイムは34秒499と日本新記録を出すも13位という結果となりました。
トップタイムはドイツの32秒485。しかし翌日の決勝では悲劇が待っていたのでした。

JPCチーム
今年から初めて男子チームパーシュートに日本は参加しました。
今まで出場していなかったのが不思議であるが、まずは世界との差を知らないと話にならないのだから、出場したことは東京オリンピックに向けて前進したと思います。
出場した選手は橋本英也(鹿屋体育大学)、窪木一茂(チーム右京)、倉林巧和(日本体育大学大学院)、原田裕成(鹿屋体育大学)。タイムは4分6秒068で日本新記録ですが、17位。今後に期待していきたいですね。トップタイムはオーストラリアで3分57秒132でした。
女子チームパーシュートは加瀬加奈子、上野みなみ(鹿屋体育大学大学院)、小島蓉子(日本体育大学大学院)、中村妃智(日本体育大学)が出場し4分38秒348で16位となりました。トップタイムはイギリスの4分20秒066。強いですね。
二日目は個人種目がスタート。男女オムニアム1日目、男子ケイリン、女子スプリントが行われました。
男子ケイリンには、渡邉一成、脇本雄太が出場。しかし、二人とも振るわず敗者復活戦で敗退となりました。

渡邉一成

脇本雄太
女子スプリントには、石井貴子、前田加代乃が出場しましたが、石井が11秒331で30位、前田が11秒216で25位となり予選敗退となりました。

石井貴子

前田加代乃
男子オムニアムには、橋本英也、女子オムニアムには上野みなみが出場しました。橋本の初日はスクラッチレース12位、個人追い抜き4分36秒641で18位、エリミネーション10位という成績で終了。

橋本英也
上野はスクラッチレース2位と好発進。インディビジュアルパーシュートで3分43秒259で18位と順位を落とすも、エリミネーションで挽回と思っていた矢先、落車し肩を脱臼しリタイアとなってしまいました。

上野みなみ
男子ケイリンはドイツのエイラースがオーストラリアのグレッツアーを振り切って優勝。
女子スプリントはヴォイノヴァ(ロシア)がゴウ(中国)を下し優勝しました。
男子チームスプリントはイギリスがドイツを破って優勝。
女子チームスプリントは予選2位のオーストラリアが不戦勝で優勝しました。ドイツはクリスティナ・フォーゲルが食あたりで欠場したためです。
男子チームパーシュートはオーストラリアがイギリスを下して優勝。
女子チームパーシュートは圧倒的な強さでイギリスが優勝、2位はカナダとなりました。
三日目は男女オムニアム二日目、男子スプリント、女子ケイリンが行われました。
男子スプリントには、渡邉一成、中川誠一郎、河端朋之が出場。予選を通過したのは中川、渡邉の二人でした。中川は9秒831で9位、渡邉は9秒999の24位でかろうじて予選通過。
河端は10秒125となり35位で予選通過はできませんでした。

河端朋之
1/16決勝では、まず渡邉が予選1位のグレッツアー(オーストラリア)と対戦し敗退。中川がウエッブスター(ニュージーランド)と対戦するも敗退となりました。

渡邉一成

中川誠一郎
優勝は実力通りグレッツアーが優勝し2位はケニー(イギリス)でした。
女子ケイリンは加瀬加奈子、前田加代乃が出場。
1回戦、敗者復活戦ともに敗退となりました。

前田加代乃

加瀬加奈子
女子ケイリンの優勝はゴウ(中国)が優勝。2位にゾン(中国)となりました。
男子オムニアム二日目、橋本は1kmTTで14位、フライングラップ(助走をつけた1周のタイム計測)で12位と中盤につけていましたが、最終種目のポイントレースでは、マークからは外れていたのもありますが、ぶっちぎりのダントツ1位となり、総合成績が楽しみになったのですが9位とまずまずの成績でした。タイム競技でさらにパワーアップすれば好成績を残すのではないかと思います。

橋本英也
優勝はドイツのリス、2位がオシェア(オーストラリア)でした。
女子オムニアムはドホーレ(ベルギー)が優勝、2位はメジャスゲラシカ(キューバ)でした。
総合優勝しワールドカップを手にしたのはオーストラリアでした。
世界のレベルは年々上がっています。特に今まで弱かった国が一気に伸びてきました。
日本も相当強化を図っていかないと。まず間違いなくメダルには手が届かないことになると思います。
早急なる手当てを望みたいですね。
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