自転車競技

2014~2015 UCIトラックワールドカップ第3戦 カリ大会
2014‐2015 UCI トラックサイクリング ワールドカップ カリ大会 競輪選手の底力を見せつけた!
2014‐2015のワールドカップもコロンビア・カリ大会で最終戦となります。今シリーズはメキシコ・グアダラハラ大会、イギリス・ロンドン大会、そしてコロンビア・カリ大会の3戦となりました。
前記した通り、今シリーズのワールドカップはリオデジャネイロオリンピック出場に向けたポイントを獲得するための重要な大会でした。
また、オリンピック出場ポイント獲得の為に、2月パリ郊外で行われる世界選手権出場枠を獲得しなければならない大会でもありました。
日本は今ワールドカップシリーズで、まずは世界選手権でのオリンピック種目の全枠獲得に向け、今シリーズを戦ってきたわけです。 しかし、その道は苦難の道でもありました。
まず短距離種目でのオリンピック出場に向けては、チームスプリントの出場枠を獲得することが第一になります。それはチームスプリントで出場するとスプリント、ケイリンの出場枠もついてくるからです。
しかしチームスプリントの出場枠獲得が今シリーズは、非常に難しかったのでありました。
その原因となったのは第2戦のロンドン大会で日本チームが男子チームスプリントで降格してしまったことです。
これにより、ポイント獲得が出来ず、最終戦のカリ大会の結果次第となってしまったのでした。
女子チームスプリントは、なかなか上位に行くことが出来ず、苦しんでいました。これもまた、カリ大会では少しでも上位を目指さなくてはならない状況であったのです。
エンデュランス(中距離)の種目では、団体追い抜きがメインとなります。チームスプリントと同じくリオデジャネイロオリンピックではオムニアムの出場枠がついているからです。
しかし、世界の団体追い抜きのレベルに日本は男女ともに追いついていず、今シリーズは相当苦しい戦いを強いられてきました。世界選手権出場を懸けてカリ大会での上位入賞を目指さなくてはならない大会となりました。
個人種目では、ケイリン、スプリント、オムニアムの世界選手権出場枠を目指すわけですが、男子スプリント、男子ケイリンでの出場枠はフルとはいかなくても2戦までの成績で確保は出来ていましたが、その他の種目に於いては、非常に厳しい状態でカリ大会に臨むことになりました。
取材陣は大会初日前々日の夜にカリに到着。翌日にカリの会場であるべロドロームに到着すると、日本チームから悲報が。男子団体追い抜きと男子オムニアムに出場予定だった橋本英也が練習中に落車し鎖骨骨折したとのことでした。
勝負駆けとなる男子団体追い抜き、男子オムニアムの先行きがいきなり暗くなってしまいました。
その他の選手には問題がなく、翌日からスタートする大会に気合を入れて練習をしていました。

初日

この日は、男女チームスプリント予選、男女団体追い抜き予選が行われ、日本チームの成績は、男子チームスプリント雨谷一樹、渡邉一成、中川誠一郎の3選手で臨み44秒416で4位通過で3‐4位決定戦進出を決めました。ちなみに1位通過はオランダで43秒613。2位フランス44秒090、3位ポーランド44秒340。
女子チームスプリントは前田佳代乃、石井貴子で臨み34秒975で15位予選敗退となりました。1位通過はロシアで33秒128。
男子団体追い抜きは、骨折した橋本、近谷涼、一丸尚伍、窪木一茂が出場。橋本はスタートから半周を走って抜けて、残りは3選手で走り、4分13秒811で20位。1位通過はオーストラリアで4分4秒106でした。
女子団体追い抜きは加瀬加奈子、小島容子、中村妃智、塚越さくらで臨み4分46秒385で13位。1位は中国で4分35秒477。
初日の全種目が終わり、結果的に男子チームスプリントが3‐4位決勝進出が決まり、前2戦の成績不振を払拭することに。
全体的なことを言えば、すでに世界選の出場枠を確保した国は、エース級の選手は温存し、若手選手での構成でカリ大会は来ている印象が強く残った初日でした。

2日目

この日の決勝種目は、男女チームスプリント、男女団体追い抜き、男子ケイリン、女子スプリント。また男女オムニアム初日が行われました。
渡邉一成はこの日は男子ケイリンと男子チームスプリントで3‐4位決定戦に出場するハードスケジュール。しかし、ハードでありますがどこまで成績を伸ばせるのかに期待がかかりました。
まずは女子スプリント予選。
石井貴子と前田佳代乃が出場し、石井が11秒872の28位で予選敗退。前田が11秒421で15位となり1/16決勝に進出。1/16決勝ではイギリスのビクトリア・ウイリアムソンと対戦し敗退となりました。
男子ケイリンは、脇本雄太と渡邉一成が出場。脇本は1回戦を1位通過、渡邉は敗退し敗者復活戦へ。敗者復活戦は1位通過で2回戦進出を決めました。が、この2回戦の前に、男子チームスプリント3‐4位決定戦を走らなくてはならない渡邉にとっては非常に負荷がかかるレースとなってしまいました。
男子オムニアムには窪木、女子オムニアムには塚越が出場。
窪木はスクラッチ9位、個人追い抜き4分38秒807で18位、エリミネーション13位で初日を終え、塚越がスクラッチ17位、個人追い抜き3分53秒550で20位、エリミネーションで17位に入ったが、エリミネーションで落車。翌日のレースはリタイヤとなってしまいました。
男子ケイリン2回戦は渡邉と脇本が同じレースになりましたが、勝ち上がれず7-12位戦に。8位渡邉、9位脇本となりました。
優勝はコロンビアのプエルタ・ファビアン。地元優勝だけあって、満員の観客は大盛り上がり、大歓声のなかでのウイニングランでした。
男子団体追い抜きの優勝はオーストラリア4分3秒200、2位ルシベロ(ロシア)4分4秒229、3位イギリス4分5秒391となりました。
女子団体追い抜き優勝はオーストラリア4分31秒527、2位中国4分34秒105、3位アメリカ4分32秒482でした。
女子スプリント優勝はリトリー・エリス(オランダ)、2位ゴウ・シュワン(中国)、3位リー・ワイジー(ホンコン)。
女子チームスプリント優勝はロシア32秒582、2位オランダ33秒586、3位スペイン33秒356でした。

3日目

男子スプリント、女子ケイリン、男女オムニアムが決勝種目でした。
男子スプリントには中川誠一郎、河端朋之、渡邉一成が出場。中川が10秒105で12位予選通過、河端が10秒222、23位で予選通過、渡邉が10秒298、27位予選敗退となりました。
1/16決勝は中川はケリマン・パベル(チェコ)と対戦し失格となり敗退、河端はプエルタ・ファビアン(コロンビア)と対戦し敗退となりました。
女子ケイリンは加瀬加奈子、前田佳代乃が出場し、どちらも敗者復活戦で敗退。
一つ付け加えれば、加瀬の1回戦は一見、加瀬は何もしていないように見えたようでしたが、実はアゼルバイジャンのイスマヤロバ・パナリラをマークしていたのでした。ところが加瀬が動かなかったので、他の選手が若干思い違いなレース展開となり、カナダのまったく無名な選手が勝ち上がってしまったのでした。
ある意味、先行一本で来た加瀬は世界の先行の加瀬となっているのですが、やはり作戦を読まれるのは良くないと思うので戦法の使い分けを考えるときに来ているのだと思います。
男子オムニアムは窪木が1㎞TT、1分5秒398で19位、フライングラップ(フライングスタートの250mバンク1周のタイム)13秒846の22位、最後の種目ポイントレースで一発逆転に懸けたのですが総合ポイント75点の17位でした。
男子ケイリンの優勝は、ドミトリエフ・デニス(ロシア)、2位ホッグランド・ジェフリー(オランダ)、3位プエルタ・ファビアン(コロンビア)となりました。
女子ケイリン優勝はジュンハン・リン(中国)、2位ブラスフェニックス・シャーン(オランダ)、3位エリクソン・メリッサ(アメリカ)。
男子オムニアム優勝はバイヨー・マキシミリアン(ドイツ)、2位デビスト・ジャスパー(ベルギー)、3位シュター・ゲール(スイス)。
女子オムニアム優勝はワイルド・クリスティン(オランダ)、2位オリベッラドロンソロ・レイラ(スペイン)、3位クナー・アナ(ドイツ)でした。
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