自転車競技

第62回全日本プロ選手権自転車競技大会レポート
 5月18日、別府競輪場で第62回全日本プロ選手権自転車競技大会が開催されました。天候は残念ながら雨が降り続き、その中で競技種目はケイリン、スプリント、1kmタイムトライアル、チームスプリント、4km個人パーシュート、4kmチームパーシュート、(エリミネーションは雨のためレースは中止となったが、抽選で順位を決定)、ガールズ選手によるエキシビジョンレース湯の花カップが行われました。

ケイリン

 決勝戦のメンバーは、新田祐大(福島)、三谷竜生(奈良)、脇本雄太(福井)、大塚健一郎(大分)、川村晃司(京都)、稲川翔(大阪)、深谷知広(愛知)、南修二(大阪)、松岡健介(兵庫)と近畿から6名が乗ってきた。
 レースは、深谷、新田、大塚、川村、三谷、南、脇本、松岡、稲川で周回。残り2周過ぎから川村が上昇してくるが、それを深谷が突っ張った。最終ホーム前から川村の後ろから三谷が捲っていくが深谷がそれも突っ張って先行。最終バック過ぎに三谷に合わせて新田が番手から捲っていく。前日のスーパープロピストレーサー賞に続き、新田が優勝。2位は大塚。3位は南。4位は松岡。

優勝:新田祐大
「初めて全プロのケイリンを走ったけど、すごいレースになりました。すごいスピードの中で、深谷君が激しいレースを繰り広げてくれたので、そこについていくことが出来て、なんとか優勝出来ました。それも深谷のやる気とレース中の動きをしっかり見ていたのが良かったと思います」

ゴール

表彰式

スプリント

 予選(200mFTT)では、雨谷一樹(栃木)が最初に登場し10秒604といきなり好記録を出した。河端朋之(岡山)が10秒419で1番時計、2番目は中川誠一郎(熊本)10秒482、3番が雨谷、4番は荒井崇博(佐賀)10秒752で、結果この4名が1/2決勝まで勝ち進んだ。
 1/2決勝は、河端VS荒井は河端が2本先取、中川VS雨谷は接戦の末に中川が2本取った。
 3-4決定戦は雨谷VS荒井になったが、これは雨谷が逃げ切って勝利。
 決勝は、河端VS中川の戦いになり、2本とも河端が逃げ、それを中川が追い込み、優勝を飾った。中川はこれでスプリント3連覇、また、上位はナショナルチームがそろった。

優勝:中川誠一郎
「前半、ピリっとしたレースが出来なくて、雨谷君も強くて、いいレースが出来なかったけど、なんとか決勝はしっかり走れてよかったです。3連覇を達成出来たのでホッとしています」
2位:河端朋之
「決勝はあれしかないです。悔しいですね。脚質が雨谷の方が中川さんが苦手だったのかもしれないけど、雨谷の方が接戦だったし、悔しいです。もう力負けでした」
3位:雨谷一樹
「中川さんにもう少しのところまで迫れたのはいいけど、でも、悔しいですね」

決勝ゴール

表彰式

1kmタイムトライアル

 渡邉一成(福島)が悪天候の中、1分3秒497の好タイムを出して優勝を決めた。スプリンターのイメージが強い渡邉がこのタイムを出したことに驚いた人も多かったようだ。
 2位の竹内雄作(岐阜)は1分5秒016、3位の早坂秀悟(宮城)1分5秒031。

優勝:渡邉一成
「ドロップハンドルだったし、タイム的なものは二の次だと思って、今回は優勝出来ればいいと思って走りました。雨が降ったりと条件が悪い中でしたが、自己ベストが出たし、良かったと思います」
2位:竹内雄作
「自分のベストを目指していたので、ベストも出ていないし、そこは悔しいですね。来年も出られたら頑張ります。いい目標が出来ましたね」
3位:早坂秀悟
「自分の設定していたタイムが5秒フラットから4秒台で、例年の優勝タイムくらいだったんですけど、一成さんがそれより上でした。やはり表彰台に乗りたかったので、良かったとは言わないけど、次につながるという期待感は持てたので、そこはよかったと思います」

渡邉の走り

表彰式


チームスプリント

 中部・三重チーム(柴崎淳、伊藤裕貴、谷口遼平)は急なメンバー交代があり、走る順番が変わるなどアクシデントもあったが、1分16秒494で優勝を決めた。
 2位は南関・神奈川チーム(郡司浩平、和田真久留、巴直也)1分16秒690、3位は関東・栃木チーム(小田倉勇二、神山拓弥、長島大介)1分16秒758。

第1走者:柴崎淳
「僕がスタート遅かったですね。やはり練習しないとダメですね。若い2人の親王牌の権利がかかっていたので自分の中では失敗は許されないと思いながら、1走目の走りをしました。あとは2人が頑張ってくれましたね」
第2走者:伊藤裕貴
「嬉しいです。急遽のメンバー変更は、少し不安はあったんですけど、前と後ろを信頼して、僕はいつもと変わらず走りました。親王牌は中部のために頑張ります」
第3走者:谷口遼平
「チームのメンバーが変わって、僕は1走から3走に変わりました。ゴールまで自分との勝負でした。勝てて良かったです。親王牌は何か得るものがあるように、しっかり頑張りたいと思います」

中部・三重チーム

表彰式

4km個人パーシュート

 最終組に登場した岡嶋登(大阪)と北津留翼(福岡)の戦いは、序盤は北津留が勝っていたが、岡嶋が巻き返して、4km個人パーシュート3連覇を達成した。タイムは、優勝の岡嶋が4分44秒499、2位の北津留4分46秒700、3位の佐藤朋也(秋田)が4分53秒455を出した。

優勝:岡嶋登
「緊張しました。北津留さんに途中負けていたので、最後、北津留さんが踏んでいったら負けていたけど、自分も力を残しながら走っていたので、ちょうど良かったです。3連覇は嬉しいですが、競輪の方が弱いので、競輪も頑張ります」
2位:北津留翼
「最後、我慢し切れなかったですね。悔しいですね」

岡嶋の走り

表彰式

4kmチームパーシュート

 昨年は2位で悔し涙を飲んだ中部・岐阜チーム(児玉利文、山口泰生、吉田茂生、川西貴之)が優勝に返り咲いた。岐阜チームは、このメンバーで全プロ4連続で表彰台を外していない。
 タイムは、優勝の中部・岐阜チーム4分29秒712、2位は北日本・青森チーム(坂本貴史、新山将史、坂本周作、守澤太志)4分31秒308、3位は九州・大分チーム(安東宏高、小岩大介、鈴木栄吉、利根正明)4分33秒589。

児玉利文
「嬉しいですね! メンバーに恵まれました」
山口泰生
「チームワークの勝利です」
吉田茂生
「落ち着いて走れたので良かったです」
川西貴之
「自分は千切れたので不甲斐ないです。皆がカバーしてくれました」

中部・岐阜チーム

表彰式

エリミネイションレース

 雨天のため、エリミネイションレースは行われず。優勝は前年度優勝の竹山陵太(宮城)で、それ以外は抽選で順位を決めた。2位を引き当てたのは三谷将太(奈良)、3位を引き当てたのは星島太(岡山)。

優勝:竹山陵太
「走ってないので、特にコメントはないです(笑)。昨年と出来が違うから、走ってたら3位かなって思っていました。でも、3位以内に入ってとは思っていました。ムダにならないように親王牌までにはしっかり練習したいと思います」
2位:三谷将太
「よかったです。賞金は8月にウチの子が生まれるのでミルク代になりました」
3位:星島太
「何年か分の運を使いました(笑)」

抽選で2位を引き当てた三谷

表彰式

ガールズエキシビジョンレース・湯の花カップ

 108期の尾崎睦(神奈川)が先行し、最後、石井寛子(東京)が追い込んで、昨年のエキシビジョンレース・アザレアカップに続き、優勝を飾った。

優勝:石井寛子
「今回はエキシビジョンなんで、いつもの本番はピリピリしているけど、こういう自分を試せる場はいいですね。走れてよかったです。どうやって走ればいいのかも、今日は1個できたし、尾崎さん、児玉(碧衣)さんと4期生の強さも感じられたし、それもよかったです。けど、もうちょっと早めに行けたらよかったかな。でも、いい感じに仕上がってきているとは思います」

ゴール

優勝の石井
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