自転車競技

第63回全日本プロ選手権自転車競技大会レポート
 5月23日(月)、伊東温泉競輪場で第63回全日本プロ選手権自転車競技大会が行われました。晴れ渡る好天の中、424名のファンに見守られながら、選手たちは素晴らしい走りを見せてくれました。

■ケイリン

 1回戦、2回戦を勝ち上がり、決勝メンバーは、稲川翔、脇本雄太、木暮安由、南修二、稲垣裕之、武田豊樹、井上昌己、平原康多、神山拓弥で争われた。
 レースは、神山、木暮、平原、武田、脇本、井上、南、稲垣、稲川で周回を重ねる。残り2周前から南が仕掛ける。打鐘過ぎに神山が捲ろうとするが行き切れず。最終ホームから稲垣が番手から発進。木暮も捲りに行くが、稲垣に合わされる。その上を平原も捲りに行く。その上を脇本が一気に捲っていった。結果、脇本が優勝、2位は稲垣、3位は平原が2着に入ったが降格となり、武田が3位に繰り上がった。
優勝:脇本雄太
「一発パッと行ける脚はあるけれど250バンクじゃないし、走り方も世界と違うけれど、優勝出来てよかったです。きつかったですけど(笑)。今日は安全に走った中で、優勝を狙っていたので、よかったです」

2位:稲垣裕之
「競技のケイリンで厳しいレースでしたが、本番と同じように近畿の結束力を見せられたかなと思います。脇本と組みたかったのですが、オリンピックでは1人なので1人でやれということで、(南)修二、(稲川)翔も自力を出しているし、近畿の追い込みは自力もあるので、本当に層が厚いと思います。来月はあっせんがお休みですが、後半に向けて、今回のレースは弾みになったし、怪我のケアと練習をしっかりしていきたいと思います」

3位:武田豊樹
「すごいスピードでしたね。すごく勉強になったレースでした。楽しかったし、また、これから上げていければいいですね」

ゴール

表彰

■スプリント

 予選(200mFD)は、雨谷一樹が10秒547で一番時計をだし、中川誠一郎が10秒670で続いた。
 1/2決勝は、雨谷一樹VS鈴木謙太郎で、雨谷が2本先取。中川VS荒井崇博も中川が2本取って、決勝戦は雨谷VS中川になった。
 決勝戦1本目は雨谷が内をシャクって取ったが、これが降格になり、中川の勝利に。続く2本目も中川が取って、中川が優勝。リオ五輪代表の面目を保った。
優勝:中川誠一郎
「スプリントの代表なので、今年は優勝しないといけないと思っていたので、優勝出来てよかったですね!合宿で追い込んでいたので、回復出来るのか不安だったけど、勝ち上がりで脚を使わなかったのがよかったのかなと思います」

2位:雨谷一樹
「ちょっと悔しいですね。予選は1番時計だったので、チャンスはあるかなと思ったけど…残念です。決勝戦の1本目は、勝つつもりで臨んだので、攻め過ぎました。誠一郎さんが強いのはわかっているし、まだ経験が足りないのかなと…。またリベンジ出来るように頑張ります」

3位:鈴木謙太郎
「早い段階で強い選手に当たると厳しいし、関東地区プロで当たっているから手の内もわかるし、組み合わせに恵まれました。でも、雨谷に全然通用しなかったのが、誠一郎さんが倒しているので、ここが限界ですね。でも3位に入れたのは嬉しいです。アンカー部門は1位でした(笑)。調子もよくなってきているし、親王牌まで練習して、頑張ります」

決勝

表彰

■1kmタイムトライアル

 早坂秀悟が1分4秒375を出し、初めての全プロ優勝を飾った。
 2位は渡邉一成で1分4秒528、3位は加賀山淳1分5秒424だった。
優勝:早坂秀悟
「自分が勝てると思ってなかったので、優勝出来てよかったです。全日本トラック、プロの1番ということを自覚して競技も望まないといけないし、(渡邉)一成さんが言葉じゃなくて、態度で見せてくれるので、ワンツーで表彰台に上がれるのが嬉しいですね」

2位:渡邉一成
「今の状態を確かめる意味では、今日はよかったと思います。今はリオに向けて、身体を作りながら、ミドルパワーの強化をしている段階です」

3位:加賀山淳
「このタイムじゃ4位かなと思っていたので、3位を取れたのは素直に嬉しいです。でも、タイムには納得してはいないです」

1位の早坂

表彰

■チームスプリント

 1分2秒516を出した中部・三重チームが優勝。
 2位は南関・神奈川チーム(郡司浩平、和田真久留、巴直也)1分2秒712、3位は関東・栃木チーム(小田倉勇二、長島大介、金子幸央)1分2秒990だった。
第1走・柴崎淳
「バンクでも街道でもよく一緒になるので打ち合わせはしませんでした。前半抑え目で、後半に伸びていった方が気持ちよく次につなげる走りを心がけました。気心の知れた3人で優勝出来たのは素直に嬉しいです。昨年、親王牌の特選スタートが上手くいけなかったので、今年はしっかり勝ち上がりたいですね」

第2走・伊藤裕貴
「普段から一緒に練習しているから脚合わせは必要ないだろうって1回もしてないです。しっかり決めるところは決めたのでよかったです。浅井先輩と淳さんのおかげで優勝出来てよかったです」

第3走・浅井康太
「優勝出来てホッとしました。後輩たちが親王牌の特選スタートの権利を取れて、自分もその役割を果たせたので。優勝出来てよかったです。この分は親王牌で返してもらえればいいです(笑)。皆で頑張っていきたいですね」

1位の中部チーム

表彰

■4km個人パーシュート

 昨年と同じく最終組に登場した北津留翼と岡嶋登の戦いが、実質の決勝戦になった。序盤に大きくリードした北津留、岡嶋も差をつめていったが、北津留が逃げ切った。岡嶋は4連覇ならず。
 タイムは、北津留が4分44秒936、岡嶋が4分46秒529、3位の渡邉正光が4分49秒839で、この3人だけ50秒を切ってきた。
優勝:北津留翼
「やっと優勝出来ました。2年この種目を勝てなくて、色々考えてやってきたので、優勝出来てよかったです。別の種目を、楽しみたいなと思っています。岡嶋さんが強かったので、勉強になったし、1種目ずつ勉強していこうかなと思います」

2位:岡嶋登
「前半を抑え過ぎましたね。後半は伸びたけど、追いつかなかったですね。また頑張ります」

3位:渡邉正光
「優勝を狙って設定タイムを早くし過ぎて、後半タレて悔いが残っています。でも、表彰台にあがれたのは嬉しいです」

1位の北津留

表彰

■4kmチームパーシュート

 昨年は2位で悔しい思いをした北日本チームが、今年は安定した走りで優勝を決めた。タイムは4分25秒932と2位に4秒近く差をつけた。
 2位は四国チーム(鳥生知八、渡部哲男、篠原龍馬、藤岡隆治)4分29秒808。3位は九州・大分チーム(加藤大輔、安東宏高、小岩大介、鈴木栄吉)4分29秒824。
坂本貴史
「自分だけじゃなく、チーム皆で頑張って優勝出来たのでよかったです。目標タイムは25秒くらいを狙って、即席のチームで皆出し切ったと思います。昨年悔しかったので、今年は北日本の皆が声を出してくれたし、チームの勝利だったと思います」

守澤太志
「急に走ってくれた、菅田はすごかったですね。予定通りのタイムだったし、優勝出来てよかったです」

菅田壱道
「急に走ってくれって言われて、ぶっつけ本番で走ったには、やった方です(笑)。最後は全力でした」

新山響平
「優勝は嬉しいです。親王牌に出られそうなので、そこに向けて頑張りたいと思います。」

1位の北日本・青森チーム

表彰

■エリミネイションレース

 小林潤二が第59回大会に続き、2回目のエリミネイションレース優勝を飾った。最後のマッチレースは松尾信太郎の1周間違いにも助けられたが、上手く好位置を取ってのレースが光った。
優勝:小林潤二
「強い選手を想定して、気をつけていました。好位置をとって、6割、7割くらいで駆けているので、ある程度我慢すれば行けるから。最後はラッキーでしたね。本当は本業で勝てるといいですけどね(苦笑)。でも、親王牌は地元の前橋で行われるので、よかったです」

2位:松尾信太郎
「最後は1周勘違いしましたね(苦笑)。脚もいっぱいでしたが、初めて全プロに出て、表彰台にあがれるので嬉しいです。でも、あそこまで残ったのなら優勝したかったですね。この悔しさは来年返したいです」

3位:西村光太
「きつかったけど、表彰台に乗れたのでよかったです。親王牌も頑張りたいですね」

序盤

残りわずか

優勝した小林

表彰

■エキシビジョンレース・ミカリン娘カップ

 110期の新鋭5名も参加してのエキシビジョンレース、1回戦、決勝とも捲りで力発揮した児玉碧衣が優勝を決めた。
優勝:児玉碧衣 「昨年のエキシビジョンレースは落車したので、今回は無事完走出来てよかったです」

決勝ゴール

表彰
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