2019アジア自転車競技選手権レポート
2019年のトラック競技アジアチャンピオンを決める「第39回アジア自転車競技選手権大会トラックレース」が1月9日(水)~13日(日)までインドネシア・ジャカルタで開催された。
今シーズンから東京オリンピックに向けた枠取りが始まっているが、ポイントが高く、上位を狙えるアジア選手権は日本としても重要な大会だ。今大会ではオリンピックポイントの大きな上積みと、さらに2月末から開催される世界選手権の出場権確保に向け、オリンピック種目をメインに狙っていく。
今回は競輪界から出場した渡邉一成、河端朋之、新田祐大、脇本雄太、深谷知広、雨谷一樹、橋本英也、鈴木奈央の8名の結果をレポートする
男子チームスプリント
1走雨谷一樹・2走新田祐大・3走渡邉一成で臨んだ予選は、44秒568で2位。
1-2位決定戦に進んだ日本は、3走を深谷知広に代え、予選1位の中国と対戦。2走までは中国にリードを許していた日本だが、3走の深谷で逆転に成功。見事金メダルを手にした。
結果
1位 日本(雨谷一樹・新田祐大・深谷知広) 44.111
2位 中国 44.170
3位 マレーシア 44.673
男子ケイリン
河端朋之、新田祐大、脇本雄太が出場。
1回戦は3選手とも1着で2回戦へ。続く2回戦も新田と河端が1着、脇本3着と危なげなくクリアし、揃って決勝進出を決めた。
決勝戦は2番手河端、3番手脇本、6番手新田で周回が進む。残り2周で先頭に立った脇本が、そのまま先行で残り1周へ。番手にシャロム(マレーシア)、3番手はアワン(マレーシア)と並走の河端、新田は最後尾の6番手で追走。ゴールは逃げ切った脇本が1着、河端が3着に入り、新田は6着でフィニッシュ。
優勝した脇本はこれで自身3度目の金メダル。昨年の覇者・河端は銅メダル獲得となった。
結果
1位 脇本雄太(日本)
2位 SAHROM Muhammad Shah Firdaus(マレーシア)
3位 河端朋之(日本)
6位 新田祐大(日本)
決勝周回
残り1周のホーム
ゴール
表彰式
ブノワヘッドコーチ、ジェイソンコーチとともに
男子スプリント
渡邉一成、新田祐大、深谷知広が出場。
予選は新田が10秒001で3位、深谷が10秒038で4位、渡邉が10秒048で5位。
1/8決勝に進んだ3選手は揃って勝利し、次の1/4決勝へ勝ち上がる。1/4決勝では渡邉と深谷が対戦し、ストレートで渡邉が勝利。新田はシャロム(マレーシア)と対戦するも敗れ、新田と深谷がここで敗退に。
1/2決勝に進んだ渡邉は、予選1位のシュウ(中国)を破ることはできず、3-4位決定戦へ。銅メダルを懸けてシャロムとの3-4位決定戦に臨んだ渡邉だったが、ここでも勝利をあげることは叶わず。
昨年はこの種目で渡邉が優勝を果たしたが、今回の日本勢はメダルを逃す形となった。
結果
1位 AWANG Mohd Azizulhasni(マレーシア)
2位 XU Chao(中国)
3位 SAHROM Muhammad Shah Firdaus(マレーシア)
4位 渡邉一成(日本)
6位 新田祐大(日本)
7位 深谷知広(日本)
予選の新田
予選の深谷
予選の渡邊
1/4決勝の渡邊と深谷
1/4決勝の新田
3-4位決定戦の渡邊
女子ケイリン
小林優香、太田りゆが出場。
1回戦は太田が4着、小林は落車棄権となり、ともに敗者復活戦へ。敗者復活戦を勝ち上がった2選手は2回戦へ駒を進めると、小林1着、太田2着で揃って1-6位決定戦進出を決めた。
決勝戦は小林3番手、太田6番手で周回。リ・ヘジン(韓国)が残り2周で仕掛け、先頭にあがると、小林5番手、太田6番手で続く。リの先行で残り1周に入るが、まだ日本勢は後方のまま。最終バックで小林が大外から捲って出ると、4コーナーではリ、ゾン(中国)、リー・ワイジー(ホンコンチャイナ)、そして小林の4車並走状態に。熾烈なゴールスプリントとなる中、外から伸びた小林が1着でゴールし、見事優勝を飾った。小林に乗って追い込んできた太田は一歩届かず4着。
日本人選手のアジア選手権女子ケイリン金メダル獲得は2004年の太刀川麻也以来、15年ぶり。
結果
1位 小林優香(日本)
2位 LEE Wai Sze(ホンコンチャイナ)
3位 ZHONG Tianshi (中国)
4位 太田りゆ(日本)
決勝周回
残り1周
最終バック
ゴール
表彰式
金メダルの小林
女子スプリント
小林優香、太田りゆが出場。
予選は小林が11秒108で5位、太田が11秒269で9位からのスタート。
1/8決勝は2選手とも勝ち上がるが、続く1/4決勝では小林はリー・ホイヤン(ホンコンチャイナ)、太田はリー・ワイジー(ホンコンチャイナ)にストレートで敗れ、ここで敗退となった。
結果
1位 LEE Wai Sze(ホンコンチャイナ)
2位 ZHONG Tianshi (中国)
3位 LEE Hyejin(韓国)
5位 小林優香(日本)
8位 太田りゆ(日本)
予選の小林
予選の太田
1/4決勝の小林
1/4決勝の太田
男子オムニアム
橋本英也が出場。
橋本はスクラッチ5位、テンポレース2位、エリミネーション1位で、3種目終え暫定1位で最終種目のポイントレースを迎える。
序盤は順調に得点を重ねていく橋本だったが、中盤に入りラップに成功するなど大きくポイントを伸ばしたミルザ(UAE)が2位に浮上し、激しく追い上げる。最終ポイント周回を残して2点差まで詰め寄られたものの逆転は許さず、橋本が2年連続、3度目の金メダル獲得となった。
結果
1位 橋本英也(日本) 125点
2位 MIRZA AL-HAMMADI Yousif (UAE) 121点
3位 SHIN Dongin (韓国) 118点
男子チームパーシュート
橋本英也、窪木一茂、近谷涼、一丸尚伍が出場。
予選は4分01秒644 で2位となった日本。1位韓国は4分を切る3分59秒台をマーク。
韓国との1-2位決定戦に臨んだ日本は、出だしは速いペースでリードを奪うも、1000mでは逆転され、その後は徐々に差を広げられていく。後半に入り隊列が崩れた日本は韓国に追い抜かれて敗れ、銀メダルとなった。
結果
1位 韓国
2位 日本(橋本英也・窪木一茂・近谷涼・一丸尚伍) Overlapped
3位 カザフスタン 4:05.558
男子マディソン
橋本英也・窪木一茂が出場。
序盤は日本、ホンコンチャイナ、韓国、イランがポイントを奪い合うが、中盤から韓国と中国が逃げ、この2チームが得点を重ねていく展開に。さらにラップにも成功し、大きくポイントを伸ばす韓国と中国に、他チームは3位争いの様相となる。中盤以降、なかなか得点に絡めなくなった日本は、一時は5位まで順位を落とすが、最終ポイント周回で10点を追加し、3位に滑り込んで表彰台を確保。銅メダル獲得となった。
結果
1位 韓国 81点
2位 中国 43点
3位 日本(橋本英也・窪木一茂) 33点
女子スクラッチ
鈴木奈央が出場。
集団のままレースは進んでいく。残り10周を切ったところでファン(チャイニーズタイペイ)、シェン(中国)、パン(ホンコンチャイナ)がアタック。後続は牽制状態となり、差はみるみる広がる。残り周回がなくなり、鈴木を中心に先行する3選手を追いかけるも、距離は縮まらず。最終的に逃げた3選手で表彰台独占となり、鈴木は8位でレースを終えた。
結果
1位 HUANG Ting Ying(チャイニーズタイペイ)
2位 SHEN Shanrong(中国)
3位 PANG Yao(ホンコンチャイナ)
8位 鈴木奈央(日本)
鈴木
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