競輪学校物語

11月27日(火)~28日(水)の2日間に渡り、第103回生と第104回生(女子第2回生)の第1回トーナメント競走が競輪学校南400ピストで行われた。両日とも天候には恵まれたものの、初冬を感じさせる冷たい空気の中、初めてのトーナメント競走に臨んだ生徒たちは、寒さをものともしない力強い走りで、熱戦が繰り広げられた。
■103回生は後藤祐貴(兵庫・22歳)が優勝!
103回生は初日に予選1回戦と2回戦、2日目に準決勝が行われ、勝ち上がった9名が決勝戦に臨んだ。
号砲とともに決勝戦がスタートし、まずは⑧栗山、⑤後藤、②小酒、①日野、④市橋、⑨長尾、③石口、⑥小山、⑦元砂の隊列で周回。2周回に入り、1コーナーを過ぎて⑦元砂が上昇開始、先頭の⑧栗山に並びかけると、⑦元砂の番手に②小酒がつける。
赤板周回ホーム。⑧栗山と⑦元砂が並走のまま通過、⑦元砂の後ろに②小酒とさらに④市橋が続く。バックの先頭員退避で⑦元砂が踏み出し先行態勢を取るが、ここで④市橋が一気に上昇し、⑦元砂に並びかける。
最終ホーム。内に⑦元砂、外に④市橋で並走となり、④市橋の番手に②小酒が入る。バックで捲って出た②小酒が先頭に立つが、その外からさらに⑧栗山が捲りを放ち、②小酒と⑧栗山が並走のまま4コーナーへ。
最終ストレートは7車が横一線に近い状態となるも、⑧栗山の後位から追い込んだ⑤後藤が1着入線、粘った②小酒が2着、後方から突っ込んだ③石口が3着となった。

優勝した後藤祐貴(兵庫・22歳)
「優勝できてすごく嬉しいです。展開的には結構予想通りでしたけど、でも自分が思った通りのことはできませんでした。本当は自分で発進して勝つつもりだったんですけど、人の後ろについて行ってしまったので、やっぱり自力で勝ちたかったですね。(これからの課題は)ギアが踏めないので、もっとパワーをつける練習をしたいと思います」

2着の小酒大勇(福島・19歳)
「ラスト2コーナーから踏み込んで行って、外から栗山さんも来ていたんですけど、自分も内で粘って。4コーナーでは先頭になったので、これは優勝できると思ってがむしゃらに踏んでいたんですけど、最後差されちゃって。後ろからきた後藤さんのスピードが良かったので、しょうがないですね。力を出し切ったレースができたので、悔いはないです」

3着の石口慶多(兵庫・23歳)
「(3着という結果は)正直言えば悔しい気持ちが大きいですね。7、8番手の位置だったので、あの位置からならよくやったほうだと思うんですけど、もう少し早く動いたほうが良かったなって。ちょっと仕掛けが遅れたと思います。(これからの課題は)やっぱり先行して逃げ切れるように。どうしても決勝だと勝ちたくて捲りとか追い込みに回っちゃうんですけど、そこでも自信を持って先行できるような脚を、卒業するまでには作っていきたいなと思っています」
103回生 決勝戦結果
氏名 府県 戦法 上がり・着差 予選・準決成績
後藤祐貴 兵庫 追込 12秒3 3・4・3
小酒大勇 福島 捲り 1/4車輪 2・3・2
石口慶多 兵庫 追込 1車輪 2・4・2
日野博幸 愛媛     1・6・3
栗山俊介 奈良     3・4・1
長尾拳太 岐阜     1・2・1
小山淳 福島     3・5・1
市橋司優人 福岡     5・3・3
元砂勇雪 奈良     7・1・2
■第104回生は梶田舞(栃木・25歳)が優勝!
第104回生は初日に予選1回戦と2回戦、2日目に予選3回戦が行われ、予選トータルの成績上位7名が決勝へと駒を進めた。
号砲とともに決勝戦がスタート。①奈良岡、④田中、②梶田、⑦石井貴、⑥石井寛、③三宅、⑤山原での隊列で周回を重ねる。赤板周回ホームから⑦石井貴が上昇を始め、④田中の位置に並びかける。バックで先頭員が退避すると①奈良岡がそのまま突っ張って先行態勢へ。
最終ホーム。先頭は①奈良岡、追走は⑦石井貴、④田中、②梶田と続き、⑥石井寛、⑤山原、③三宅はまだ後方に。
最終2コーナーから⑦石井貴が①奈良岡を交わしにかかるが、バックで踏み込んだ④田中が捲って一気に先頭に上がる。その④田中に乗る形で②梶田が続く。
ゴールは僅差で④田中を差した梶田が1着、2着に④田中、3着には直線で追い込んだ③三宅が入った。

優勝した梶田舞(栃木・25歳)
「(ゴールの瞬間は)もう夢中だったし、僅差だったので勝てたのかどうかも分かりませんでした。優勝したことはとても嬉しいんですけど、自分の競走ができなかったことはすごく悔しいですし、本当にたまたまだと思います。少し前に腰を壊してから、先行しても3着以内に入れない日々が続いていたので、今回のトーナメントは自信にはなりました。これからもスタイルを崩さず、先行だけでやっていきたいと思います」

2着の田中まい(千葉・22歳)
「最後に差されたのは悔しいですね。作戦としては一番後ろからカマシ先行みたいな感じで行こうと考えていたんですけど、スタートで予想外に前に位置してしまって。それでどうしようか焦ってしまったこともあって、攻めるレースができなかったことに悔いが残ります。でも(最終バックで)後ろが詰まっていたみたいなので、それを考えると前に位置していたのが逆にラッキーだったのかなと思います」

3着の三宅愛梨(岡山・20歳)
「スタートで前を取って、そこから動こうかなと思っていたんですけど、出遅れてしまって。出だしからちょっとハプニングで、うまく行かなかったですね。もう最終バックから思い切り行こうと思っていたんですけど、そこで詰まってしまって、最後はなんとか追い込んで3着には入れました。でも脚を残したまま終わってしまった感じで、かなり悔しいです。今回は反省点ばかりで、もっと脚をつけなきいけないなと思いました」
104回生 決勝戦結果
氏名 府県 戦法 上がり・着差 予選・準決成績
梶田舞 栃木 追込 13秒5 1・3・2
田中まい 千葉 捲り 1/8車輪 2・1・1
三宅愛梨 岡山 追込 3/4車輪 1・2・1
石井寛子 東京     1・1・1
石井貴子 東京     4・3・2
山原さくら 高知     2・2・2
奈良岡彩子 青森     2・1・4