競輪学校物語

石井貴子を表すならストイックという言葉以外ないのではないだろうか。ガールズケイリンを自分の生きる道と決めてからは、ひたむきに自転車に取り組んでいる。そんな彼女が強くならないはずがない。同回生のライバル・小林優香と共に106回生を引っ張っていく存在になるだろう。
練習で守りに入らずに、ちゃんと攻め切って卒業することが課題だと思っています。
-選手になろうと思ったきっかけは?
「元々はアルペンスキーをやってきたんですけど、大学卒業と同時に諦めて一度就職をしたんです。けど、何か違うなって思っていた時にガールズケイリンのことを思い出して、以前から自転車に興味があったので『自分もやってみよう』と思いました」
-競走訓練はいかがですか?
「競走訓練が始まる前に、冬帰省前はとにかく先行して脚力をつけようと目標を立ててやってきました」
-先行はできていますか?
「そうですね、今のところ先行本数は一番多いです。着外になっちゃうこともあったんですけど、先行のおかげで最初はもがける距離が短かったり、スピードも垂れちゃっていたんですけど、最近は少し長めにもがけるようになったりとか、先行の仕方も色々と変えながら出来るようになってきたと思います。
 最初はこれで本当に正しいのか、本当に先につながっているのか、わからないことが多かったんですけど、ここにきて、やってきて良かったなと感じることが多くなってきたなと思います」
-11月28日、29日に第1回トーナメントがありましたが、いかがでしたか?
「決勝戦で2着だったんですけど、(自分の中で)珍しく追い込みの展開になってしまって、普通だったらいい展開で1着を狙えるところだったと思いますけど、差し切れなかったのは正直悔しかったです。けど、そういうレースを今までやっていなかったので、やっぱりやらないとわからないことはあるのだなと思ったので、冬帰省後は追い込みや捲りなどの戦法もしながら、デビューに向けてやっていきたいと思います」
-同回生には小林優香さんもいますが、意識しますか?
「私にないものを彼女が持っているし、彼女にないものを私が持っている部分もあるので、刺激しあいながらやっていると思います。しんどいなって思う時でも、これじゃ負けるなって思えばまだ練習できるし、学校を出てもライバルだと思うので。正直、一緒に走るのがやだなって相手も思っていると思うけど(笑)、そういう存在が同期にいる方が幸せだと思うので感謝しています」
-目標は?
「まだデビューしたわけではないので、プロがどんな世界かまだわからないんですけど、学校にいる間は失敗もたくさん出来ると思うし、それは自分の中でデータとして残るというか、自分はこれはこれをしてこうなるんだとか、ここが弱いんだってわかるので、守りに入らずにちゃんと攻め切って卒業するのが課題だと思っています」
-学校生活の中でリフレッシュできる時間はありますか?
「うーん、お風呂でリラックスしたりとか、ご飯を美味しく食べたりとかはちゃんとしますけど、本当に良かったと思ったりホッとできるのは結果がちゃんと出た時とか、出来ることが増えたなって感じた時なので、自転車以外はあんまりないかもしれないです(笑)」
-最後に、ファンへメッセージをどうぞ。
「皆さんの前で走れる日を夢に見ながら楽しく訓練に励んでいますので、デビューしたら是非見に来てください。よろしくお願いします!」