競輪学校物語

兄・新山将史(青森・98期)に影響を受け、競輪選手を目指した新山響平。記録会でも常に上位に入り、107回生の中でもトップクラスの実力の持ち主だ。他生徒からも目標に挙げられる新山、競走訓練が始まり、今、何を思ってレースに臨んでいるのだろうか。
先行で勝てる選手になります!
-選手になろうと思ったのはいつですか?
「高校で自転車競技を始めたんですけど、その時に(選手に)なろうと思っていました」
-それはお兄さんの影響ですか?
「たぶん、それが一番大きいですね」
-師匠はどなたですか?
「坂本勉さんです。たくさんお世話になっています」
-師匠からは学校中に何て言われていますか?
「学校中は、1000mTT記録かゴールデンキャップを狙え、競走訓練では先行して来いって言われています」
-競輪学校で『先行』は、皆が狙っているので難しいと思いますが、どうですか?
「言われた通り、先行を徹底していますが、3回くらい出来なかった競走がありました」
-現在何走中ですか?
「14走くらい」
-14走中先行11本は充分と考えません?
「いえ、全部したいのでダメですね」
-納得してない?
「はい(きっぱり)。 目標は、先行して逃げ切ることですけど、逃げ切れてはいないです。逃げるだけでまだ精一杯です」
-競走訓練では、着を意識している? それとも今は考えていない?
「着を気にするよりは先行と最初は思って、走っていましたが、最近は着を取るために先行しています。それで着を取っていかないと、(デビューしても)通用しないので」
-どんな選手になりたいですか?
「だれよりも早く上で勝負出来るような選手になりたいですね。強い選手はやはり上に行くのも早いので、僕も早く行きたいです」
-学校生活はいかがですか?
「学科卒業認定試験とかあったので、けっこう勉強していたので、それなりの点数は取れました。すでに半年くらい学校にいるので、学校での生活も慣れてきて、でも、慣れてきた頃が気が緩む時だと思うので、先生たちもそう言っているし、ちょっと気を引き締めていきたいと思います」
-一番楽しいのはどんな時ですか?
「土曜日の午後ですね。翌日は休みなので、休んでもいいし、練習してもいいし、心置きなく過ごせますから。日曜日の午前は休もうと思う土曜日は練習しますし、ゆっくり過ごす日もあり、身体の調子を見てやります」
-つらいなって思う時は?
「滝澤校長先生自らバイクで引っ張ってくれる周回があるんですけど、もう気持ちがないとついていけないですね(苦笑)」
-どのくらい引っ張ってくれるの?
「400バンクで50周をずっと時速50kmくらいですね。もう泣きかけます(苦笑)」
-滝澤先生の教場は週に何回?
「競走訓練以外は、滝澤先生の教場ですね。8人くらいいます」
-持久系が鍛えられますね。
「持久系というより一番メンタルが鍛えられます(笑)」
-キャパシティ系は相当鍛えたと思いますが。
「そうですね。乗り込み期当初から校長先生に、バイクペーサーをやっていただいていましたし、色々自力の周回もやっていて、学校に入った当初は3000mTTなんてタイムが出る気もしなかったけど、最初は4分くらいだったので(ゴールデンキャップは)ムリだなと思っていましたが、タイムが上がっていて実感しますね。訓練でも初めの頃はここで千切れていたなっていうのが、どんどん上がっていて、最後までついていける日があったりします」
-ライバルは?
「やっぱり吉田生徒(拓矢・茨城・19歳)、取鳥生徒(雄吾・岡山・19歳)はすごいなって思っていて、競走訓練が始まってから鈴木生徒(竜士・茨城・20歳)がすごい先行していて、今、先行回数も一緒くらいなので、ちょっと負けられないなって思っています」
-今現在どのくらい逃げられる?
「最初は4コーナーあたりまで残っていましたが、最近は、皆がレースも覚えてきて、先行意欲も上がってきて、ホームで仕掛けてきたりするので、ちょっと抜くところがなくて踏みっぱなしです。4コーナーまでというよりはバックで行かれることもあります。なので、自分も考えて、脚力を挙げて走らないといけないです」
-そういう走りは自分のためになっている?
「ライン戦ではないので、すぐ後ろから仕掛けて来るので、皆、敵と思って走る方が脚もつくし、考えてレースも出来るようになるのでいいと思います」
-たまには、捲ってみようかなって時もありますか?
「その時は、先行争いに負けて、渋々まくりになります」
-そういう時は決まっている?
「まくりは決まっても、後ろから抜かれます。相手が早めに先行されて、くそーって思って、ホームから行って、外外を踏まされて、最後に後ろにいたヤツに抜かれます(苦笑)」
-そういう時でも差されないようにしたいですね。
「そうですね。校長先生の周回練習で強い精神力と脚力を鍛えて、強靭な粘り腰を造り、最後まであきらめず踏み続ける気持ちをつけなきゃいけないですね」
-では、ファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
「精一杯頑張って、107回生の中で先行で勝てる選手になりますので、応援よろしくお願いします」